テレワーク助成金:新型コロナウイルス感染症向けと働き方改革推進支援助成金テレワークコース
テレワークは大企業にはある程度浸透していますが、事業形態や資金の問題もあり中小企業にはなかなか導入が進んでいません。
テレワーク助成金には新型コロナウイルス感染症対策のための時限的なテレワークコースと、働き方改革推進支援助成金のテレワークコースとがあります。
コロナウイルス対策用は補助率1/2で最大100万円、元々あったテレワークコースは補助率3/4で上限300万円です(成果目標あり)。
テレワーク助成金とは
新型コロナウイルス感染防止対策の観点から、各企業でテレワークによる在宅業務がどんどん進んでいますね。
しかしテレワークがスムーズに進んでいるのは実は大企業が中心で、多くの中小企業では導入が進んでいないのが現状です。
これを受けて厚生労働省はテレワーク事業を推進するために様々な助成金制度を開設しています。
厚生労働省によるLINE公式アカウントでの全国調査
2020年3月31日・4月1日実施、回答者約2,400万人
「仕事はテレワークにしている」と答えた人…5.6%
非常に少ない数値ですよね。導入・浸透度合いの低さが伺えます。
現在はテレワーク実施率はもっと上昇しているでしょうが、テレワーク自体が困難な業種もあり、事業規模によっては導入されにくい事もあります。
一番の課題は資金不足
テレワーク導入が進まない理由の一つに機器の導入や運用資金の不足が指摘されています。
これを支援できる様に、テレワーク導入を支援する助成金制度が運営されています。
特に今年は新型コロナウイルス対策に向けた特別なテレワーク助成金が、国や都道府県によって設けられています。
「時間外労働改善助成金」は「働き方改革推進支援助成金」へ
元々令和2年4月1日より、中小企業に対する時間外労働の上限を規制する制度が適用される事になっていました。
厚労省の「時間外労働改善助成金」は、この中小企業の時間外労働削減を目的として運営されています。
この制度が新たに「働き方改革推進支援助成金」と名称を変え、中小企業の前向きな働き方改革への取り組みを支援する制度として生まれ変わったのです。
テレワーク助成金の種類と対象事業主
・働き方改革推進支援助成金が目的のテレワークコース
・新型コロナウイルス感染症対策が目的のテレワーク
現在試行的に導入している事業主も含め、上記を新規で導入する中小企業事業主が対象です。
対象となる中小企業事業主
労働者災害補償保険が適用され、下記に該当する中小企業事業者
業種 | 資本または出資額 | 常時雇用する労働者 |
---|---|---|
小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円 | 100人以下 |
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース
概要
新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコースは「働き方改革推進支援助成金」のテレワークコースとは別の、時限的制度です。
新型コロナウイルス感染症対策を目的とした、テレワーク業務を行う事業主を支援する特例コースとして、期間限定で設たものです。
新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコースの見直し
厚生労働省は4月28日この新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコースの助成対象を見直すと発表しました。
見直し内容
令和2年2月17日以降の取り組みが対象です。
・受け入れている派遣労働者がテレワークを行う場合も対象とします。
・パソコンやルーター等のレンタル・リースの費用も対象とします。
※事業の実施期間内(5月31日まで)の経費であり、かつ同日までに支出されたものに限ります。
※既に交付申請済みの事業者でも変更申請や補正をおこなえば対象になります。
助成対象となる取り組み内容
・テレワーク用通信機器の導入・運用
・就業規則・労使協定等の作成・変更
・労務管理担当者に対する研修
・労働者に対する研修、周知・啓発
・外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング等
テレワーク用通信機器の例
・PC端末
・VPN装置
・WEB会議用カメラ機器
・パソコン遠隔操作用のソフトウェア
・保守サポート
・クラウドサービス導入
・サテライトオフィスの利用料
・PC、タブレット、スマホ、ルーターなどの機器のレンタルリース
注意・仕様
※シンクライアント端末(パソコン等)の購入費用は対象となりますが、シンクライアント以外のパソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用は対象となりません。
※レンタルやリースついては、5月31日までに利用し支払った経費については対象となります。
※派遣先である場合、派遣労働者も対象となります。
※その派遣労働者を雇用する派遣元の事業主が、その派遣労働者を対象として同時期に同一措置の助成金を受給していない場合に限ります。
主な助成要件
・新型コロナウイルス感染症対策を目標としたテレワークである事
・助成対象となる取り組みを行う事
・テレワークを実施した労働者が1人以上いる事
※少なくとも1人は直接雇用する労働者であることが必要です。
助成の対象となる事業の実施期間
令和2年2月17日~5月31日
支給額
補助率:1/2(1企業当たりの上限額:100万円)
支給額の例1
事務作業部門5名をテレワーク化するため、200万円のテレワーク設備を導入した場合
補助率1/2ですので100万(満額)が助成されます。
支給額の例2
事務作業部門10名をテレワーク化するため、400万円のテレワーク設備を導入した場合
補助率1/2で本来は200万ですが、上限は100万円のため100万円が助成されます。
「新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース」に成果目標はありません。
詳細情報
リーフレット
・働き方改革推進支援助成金のご案内(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース) [PDF形式:770KB]
・交付要綱[PDF形式:395KB]
・支給要領[PDF形式:223KB]
申請様式・申請マニュアル・チェックリスト
・申請様式[Word形式:90KB]
・申請マニュアル(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)[PDF形式:1,823KB]
・チェックリスト[Word形式:20KB]
申請期限
交付申請:令和2年5月29日(金)
支給申請:令和2年7月15日(水)
働き方改革推進支援助成金「テレワークコース」
この助成金は新たにテレワークを導入した中小企業事業主を支援するための「働き方改革推進支援助成金」として、設立された制度です。
概要
・時間外労働の制限
・その他の労働時間等の設定の改善※
・仕事と生活の調和の推進
※「労働時間等の設定の改善」とは労働者の生活と健康に配慮し、多様な働き方を受け入れる事を指します。
各事業場における労働時間、年次有給休暇などに関する事項についての規定を改善していく事が目的です。
以上の観点から、在宅又はサテライトオフィスにおいて就業する事をテレワーク業務とし、その実施に必要となった費用の一部を取り組む中小企業事業主に対して助成します。
働き方改革推進支援助成金「テレワークコース」の上限額等の見直し
令和2年5月1日に、働き方改革推進支援助成金「テレワークコース」の上限額等の見直しが行われました。
見直し内容
※令和2年4月1日以降の交付申請から適用となります。
・1人当たりの上限額、及び1企業当たりの上限額を倍増
・受け入れている派遣労働者がテレワークを行う場合も対象
・成果目標のうち「労働者の月間平均所定外労働時間数を前年と比較して5時間以上削減させる」を廃止
支給対象となる取り組み
下記よりいずれか1つ以上を実施する必要があります。
・テレワーク用通信機器の導入・運用
・就業規則・労使協定等の作成・変更
・労務管理担当者に対する研修
・労働者に対する研修、周知・啓発
・外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング
※シンクライアント端末(パソコン等)の購入費用は対象となりますが、シンクライアント以外のパソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用は支給対象となりません。
※派遣先である場合、派遣労働者も対象となります。
ただしその派遣労働者を雇用する派遣元事業主が、その派遣労働者を対象として同時期に同一措置に付き助成金を受給していない場合に限ります。
また、少なくとも対象労働者の1人は直接雇用する労働者であることが必要です。
成果目標の設定
支給対象となる取り組みについては、以下の「成果目標」を達成する事が助成の条件となります。
1.評価期間に1回以上、対象労働者全員に在宅又はサテライトオフィスにおいてテレワーク業務を実施させる
2.評価期間において対象労働者が在宅又はサテライトオフィスにおいてテレワークを実施した回数の週間平均を1回以上とする
本来3つ目にあった「労働者の月間平均所定外労働時間数を前年と比較して5時間以上削減させる」目標は廃止されました。
評価期間
成果目標の達成の有無は、事業実施期間(交付決定の日から令和3年2月15日まで)の中で1~6か月の間で設定する「評価期間※」で判断します。
※評価期間は申請者が事業実施計画を作成する際に自ら設定します。
支給額
支給対象となる取り組みに要した経費の一部を、目標達成状況に応じて支給します。
対象経費 | 助成額 |
---|---|
謝金 旅費 借損料 会議費 雑役務費 印刷製本費 備品費 機械装置等購入費 委託費 |
対象経費の「合計額×補助率」上限額を超える場合「1人当たりの上限額」又は 「1企業当たりの上限額」のいずれか低い方の額 |
※契約形態がリース契約、ライセンス契約、サービス利用契約等 で「評価期間」を超える契約の場合は「評価期間」に係る経費のみが対象です。
見直し後
成果目標の達成状況 | 達成 | 未達成 |
---|---|---|
補助率 | 3/4 | 1/2 |
1人当たりの上限額 | 40万円 | 20万円 |
1企業当たりの上限額 | 300万円 | 200万円 |
見直し前
成果目標の達成状況 | 達成 | 未達成 |
---|---|---|
補助率 | 3/4 | 1/2 |
1人当たりの上限額 | 20万円 | 10万円 |
1企業当たりの上限額 | 150万円 | 100万円 |
支給額の例1
従業員100人の企業が事務作業部門10名をテレワーク化するため、400万円のテレワーク設備を導入した場合
成果目標を達成した場合
所要額400万円の補助率3/4となり、300万円(満額)が助成されます。
成果目標が未達だった場合
所要額400万円の補助率1/2となり、200万円(満額)が助成されます。
支給額の例2
事務員8名で、500万円のテレワーク設備を導入した場合
或いは
事務員7名で、500万円のテレワーク設備を導入した場合
上記はいずれも成果目標達成時は500万の3/4で375万円となり、1企業上限額の300万を超えてしまいます。
その場合は「一人当たりの上限額×労働者数」か「1企業当たりの上限額」のいずれか低い方で計算されます。
事務員8名の場合
・1人限度40万×8名=320万
・1企業限度=300万
で低い方の300万円が助成される事になります。
事務員7名の場合
・1人限度40万×7名=280万
・1企業限度=300万
で低い方の280万円が助成される事になります。
詳細情報
リーフレット
・「働き方改革推進支援助成金」のご案内(テレワークコース)[PDF形式:658KB]
・交付要綱[PDF形式:419KB]
・支給要領[PDF形式:231KB]
申請様式・申請マニュアル・チェックリスト
・申請様式[PDF形式:98KB]
・申請マニュアル(テレワークコース)[PDF形式:1,511KB]
申請期限
・申請様式[PDF形式:98KB]
・申請マニュアル(テレワークコース)[PDF形式:1,511KB]
交付申請の受付は令和2年12月1日(火)までです。
なお、支給対象事業主数は国の予算額に制約されるため、12月1日以前に受付を締め切る場合があります。
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テレワーク助成金関連のお問い合わせ先
テレワーク相談センター
電話:0120-91-6479(受付時間:平日9:00~17:00)
住所:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-8-11 東京YWCA会館3階
つながらない場合
上記のフリーダイヤルがつながらない場合には、以下の番号でも受け付けます。(5月31日まで)
03-5577-4724
03-5577-4734
ただし通信料は発信者負担になりますのでご留意いただきますようお願いいたします。
またメールでもご相談を受け付けています。
sodan@japan-telework.or.jp
受託者:日本テレワーク協会
※働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)に関する申請書やお問い合わせの受付は、(一社)日本テレワーク協会により行われています。
厚生労働省委託事業テレワーク相談センター事業及び東京テレワーク推進センターの受託者です。