同じメールアドレスを2つ登録できない場合に取れる5つの策(サイトのサーバー移転時に重宝)
同じメールアドレスを2つ登録できない時に取れる5つの手段
WEBサイトの引っ越しなどでメール設定の移行が必要になった際、メールソフトに同じメールアドレスを2つ登録できない場合があります。
そんな時は以下の方法からベストな手段を選びましょう。
・各PCに自分以外のメールを登録し合う
・新設定向けPCを決め、全てそこに集約する
・スマホに新設定向けメールを登録する
・別メールソフトをインストールする
・受信は転送メール+送信はすぐに新サーバーを使う
なぜメールアドレスの設定変更が必要なのか
レンタルサーバー先を引っ越しする場合、必要なのはWEBサイトの移転だけではありません。
ドメインメールを使っている場合は、メールサーバーの移設も必要になります。
メールサーバー移設とは、新しいメールサーバー向けに従来のメールアカウントの設定情報を変更する事を指します。
メールアドレス自体は同じでも、受信・送信サーバー名やパスワードなどが変わる訳です。
WEBサーバーとメールサーバーを共用しているため
通常は、WEBサーバーとメールサーバー両方で同じサーバーを利用している事でしょう。
サーバーをレンタルする際、普通は引っ越しの事を考えたりはしないので、いざ引越しする際はWEBとメール両方の引っ越しが必要です。
ですが場合によってはメールサーバーの移設をする必要が無いケースもあります。
メールアドレス設定を変更する必要がない例
・ドメインメールを使っていない場合(Gmailなどのフリーメールのみ利用)
・メールサーバー先とWEBサーバー先を分けている場合
メールサーバー先とWEBサーバーとを分けておく
最近はWEBサーバー先とメールサーバー先を分けておくスタイルが注目されています。
メールサーバーとWEBサーバーとを分けていれば、レンタルサーバーを移動する事になってもメール設定を変える必要がありません。
WEBデータのみ引越しをして、DNS変更の時にWEBデータだけ別のサーバーへと向ける事になります。
メールサーバーが固定されていれば何もする必要がなく、大変効率的です。
同じメールアドレスが2つ登録できない
メールサーバーを移設する際の一般的な対応としては、一時的にメールアカウントを新旧両方設定するのがセオリーです。
取りこぼしを防ぐため重複登録は必須
サーバー切替をしても、当面メールアドレスは従来通りのサーバーから送受信をします。
徐々に切り替わっていくと新しいサーバー先から送受信し始めますが、そのタイミングは誰にもコントロールできない仕様になっています。
切替後しばらくの間(最長3日)は、メールがどちらのメールサーバーから送られてくるか誰にもわからないのです。
ですので新旧どちらにきても取りこぼしが無いように、従来の設定とは別に新しいサーバー向けの設定を追加で入れる訳です。
最近のメールソフトはメールアドレスの二重登録不可に
少し前までは従来のメール設定とは別に、新しいサーバー用の設定を入れる事ができていました。いずれも同じメールアドレスです。
しかし最近のメールソフトは同じメールアドレスを2つ入れる事ができないタイプも多くなりました。
サーバー情報やパスワードが違っても、アドレス自体は同じなので入れられない場合があるのです。
5つの対処法で新旧両方の設定を実現
新旧両方のメール設定が入れれないと、サイトの引っ越し時に重要なメールを取りこぼししてしまうかもしれません。
ではその場合にどうすれば良いのか、簡単にできる5つの方法をご紹介します。
ご自身の環境にあう方法を取って頂きたいと思います。
重複登録法その1:別のPCに設定する
まずは、自分のPC以外の「別のPC」に設定する方法です。
メールアドレスが違えば登録できる訳ですから、パソコンが複数台数あるのであれば上手く活用しましょう。
2台のPCを使った設定例
PC「A」:…従来メールA+新サーバー向けメールB(追加)
PC「B」:…従来メールB+新サーバー向けメールA(追加)
この様にしておけば2つの端末どちらに届いても取りこぼしは無くなりますよね。
会社のPCの場合その担当者が決まっている事もあるでしょう。ですが一時的な措置なので、一時的に相手のメールを互いに登録できる様であれば有効な手段です。
他人PCを新設定のために利用
それぞれの設定した新サーバー向けメールが送受信できたら、手元の従来メールは送受信できなくなっている訳です。
お互いに連絡し合っておき、それが確認できたら手元の従来のメール設定を新しい設定に書き換えます。
そして一時登録していたお互いの新メール設定は、消してしまえば大丈夫です。
重複登録法その2:新サーバーメールのみ1台に集約する
上記は2人の担当者間でのお話でしたが、ドメインメールをそれこそ何十人と利用している場合は管理が大変ですよね。
それに自分以外の担当にメールを見られたくない場合もあるかも知れません。
そんな場合は、数十件の新設定メールアドレスを全て1台の特定PCに登録するのです。
新設定だけを1台にまとめる
PC「A」:…従来メールA
PC「B」:…従来メールB
PC「C」:…従来メールC
PC「D」:…新サーバー向けメールA、B、C(3つ追加)
つまり1台のPCで新しいサーバー向けの全てのアカウントの送受信を確認する訳です(普段使っていなければ好都合です)。
メール設定後の流れ
担当者を一人決め、それぞれ新しいメール設定が届くようになったらメールの所有者に通知してもらうのですね。
通知を受けた人は自分のメールソフトの設定を新しい設定に変更します。
変更した情報で送受信ができる事が確認できたら、新設定向けPCの担当者に特定PC内にある自分のメールアカウントの削除を依頼します。
新サーバー向けの複数メールアカウントが一つの端末で管理できるので、円滑な切り替えが可能になります。
PC「D」でもメールDを使っている場合
この時PC「D」でも元々ドメインメールDを使っているのであれば、そのメールDだけA・B・Cのどれか別PCに入れれば良いです。
要はアカウントがダブらなければ大丈夫なのですから、この辺りは上手く応用していきましょう。
重複登録法その3:スマホに設定
別のPCがどうしても使えない場合は、スマホ端末に新しいアカウントを設定する手もあります。
新しい設定のメールをスマートフォンに登録するのです。もちろんスマホでもドメインメールは送受信できますからね。
そしてスマホの方にメールが届くようになったら、PC側のメールの旧設定情報を新しい情報に変更するという訳です。
PCとスマホを使った例
PC「A」:…従来メールA
スマホ:…新サーバー向けメールA(追加)
自身のスマホへの登録が、規定上許される場合は有効です。
規定上許されない場合はスマホを使う事はできないので、別の方法を取るようにしましょう。
重複登録法その4:別メーラーを使う
上記のいずれも使えないとなった場合、やり方としては少し手間ですが別のメールソフトを利用する手段もあります。
今使っているメールソフトが「Outlook2016」などであれば、「Windowsメール」など別のメールソフトに登録をする訳です。
メールソフトは複数使っていても問題はありません。一時的に2種類のメールソフトを併用する形です。
1台のPCで複数のメールソフトを使った例
Outlook:…従来メールA
Windowsメール:…新サーバー向けメールA(追加)
メールソフト自体が違えば同じメールアドレスでも設定できますので、PC1台で作業が完結しますよね。
Windowsメールでメールが届くようになったら、Outlook側ののアカウント設定を変更します。
そしてWindowsメールに入れていたアカウントを消し、その後使わなければ良いのです。
重複登録法その5:受信は転送メール+送信は新サーバー
メールサーバーの切替の際、確かに新サーバーで受信メールを受け取るのにはタイムラグが出てきます。
ですが送信に関しては、タイムラグに関係なく新サーバーの設定から送信が事が可能なサーバーがあります。
この機能を利用して、先にメールの設定を新サーバー向けに変えてしまう手段もあります。
受信メールは転送メールで受け取る
今回の構成イメージは以下です。
・受信…旧サーバーに設定した転送メール
・送信…新サーバー向けメールA(変更済み)
先に新サーバーに変更してしまうと、受信ができなくなる事はご理解頂いていると思います。
ポイントは、旧サーバーの各メールアカウントに対して「転送メール設定」を掛けておく事です。
この時の転送メールはGmailなど対象ドメイン以外のメールアドレスにして下さい。
そうすれば旧サーバーのメールは全てGmailなどのメール転送で受け取る事ができる訳です。
メールサーバーが旧サーバーを向いている限り、この転送設定は有効です。
仮にメールが新サーバーを向けば、既に変更したメール設定で受信する事になるので、取りこぼしを防ぐ事が可能です。
切替後すぐに送信が可能なサーバー
繰り返しになりますが送信に関しては、ネームサーバーが切り替わった後であれば、新サーバー向けの設定から送信ができます。
全てのレンタルサーバーでこれが有効かどうかは正直分かりませんが、少なくとも「エックスサーバー」では有効でした。
ですので、この方法を使う場合は事前に移転先サーバーに問い合わせして確認をした方が良いと思います。
それに、ネームサーバー切替直後すぐに送信できるかどうかはその場面によって変わると思います。
最低でも1時間程度は待った方が良いと思います。
同じメールアドレスを2つ登録する際の注意
順番が前後しましたがメールアドレス設定の移行の流れは大まかに以下の様になります。
新旧両方の設定の流れ
新旧両方アカウントを準備
↓
送受信確認
↓
古いアカウント情報を書き換え
↓
新しいアカウントを削除
なぜ古い設定と新しい設定が重複して必要なのかは既にご存知と思いますが、念のため確認しておきましょう。
なぜ新旧両方の設定が必要なのか
移転をする前から早々と新しい設定に切り替えてしまうと、いつもの様に届いていたメールが届かなくなりますよね。
移転後に新しい設定に切り替えてしまうにも、切替タイミングはユーザーに通知されません。
タイミングが遅いと既に届いていた新しいサーバー向けのメールを受信していない可能性があります。
※新しいサーバーへの切替タイミングはPC毎に違う事も理由です。
ですので新旧両方どちらに来ても良い様に準備をする必要があるのですね。
従来メールの設定変更を必ず行う
新しいメールに届くようになったとしても、その一時的に登録した新しいアカウントにはメールの履歴はありません。
大切なのは、履歴が残った「従来メール設定」の方ですよね。
ですので今までのアカウントが引き続き使えるよう、従来のアカウント設定を変更する訳です。
なるべく早く移行しましょう。
新しい設定に届いたメールが緊急を要する場合、その設定上で返信をする事があると思います。
しかしこの新しい設定上で送った送信メールの履歴はアカウント自体を消せば残りません。
消えてしまう送信メールが少なくて済むよう、迅速に従来アカウントの設定変更をしましょう。
メールの重要度によって対処を変える
基本的には全てのメールで新旧両方を用意するべきだと思います。
しかし、そんなに頻繁にメールが来ないドメインメールであればこのように厳密にする必要は無いかも知れません。
サーバーが切り替わって送受信ができなくなってから、新しい設定に書換すれば良いと思います。
ですので全てのメールに対し新旧両方の設定を用意するか・しないか、は利用者にお任せする事になります。
まとめ
以上メールアドレスを新旧二重に登録する事ができない場合に取るべき5つの方法をご紹介しました。
・各PCに自分以外のメールを登録し合う
・新設定向けPCを決め、全てそこに集約する
・スマホに新設定向けメールを登録する
・別メールソフトをインストールする
・受信は転送メール+送信は新サーバー
上記のいずれかで条件にあう方法を取り、とにかく取りこぼしが無いように進めましょう。