Gmailの画面でドメインメールを送受信する方法と注意
Gmailの画面でgmail.comのメール以外にドメインメールも送受信する事ができます。
メールソフトの設定と同じように受信設定・送信設定を登録します。
Gmailを通して送信したメールが迷惑メールに入る場合は、DNSのtxtレコードにspf設定をしましょう。
ドメインメールをメールソフトで動かすデメリット
メールデータの扱いが大変
メールソフトでドメインメールを送受信するのには一長一短があると日頃から思います。
普段はともかくPCが壊れてしまった時に、メールデータを復旧させなければなりませんよね。
バックアップ・管理が必要
そのためには常に過去メールをバックアップしておく必要があります。
日々メールは送受信しますから、常に最新の量に保つのは一苦労です。
今でこそあまり聞きませんが、以前はWindowsOSがバージョンアップされる際にメールが丸ごと消えたりした事もありました。
実物メールデータは大切なのですが、管理が大変と言えますよね。
WEBサーバーの移転
さらにWEBサイトのサーバーが引っ越しになったりすると、メールの設定情報が変わります。
メールアドレスの受信サーバー名や送信サーバー名・パスワードを、移転先のサーバーのものに変更しなければなりません。
IMAPの場合メールが消えてしまう
POPならまだしも、IMAPに設定しているともっと厄介ですよね。
サーバー内のメールデータを直接見ていますから、設定を切り替えてしまうとメールが見えなくなります。
POPでダウンロードして移転先でまたUPしたりと結構な手間になるのです。
Gmailでドメインメールが動かせる
そこで独自ドメインメールをGmailで送受信する設定方法をご紹介します。
一般的なGmailアカウントがあれば、Gmailの管理画面を通して利用ができます。
Gmailでドメインメール?と思うでしょうが、@gmail.com以外のドメインメールを追加登録すればgmailと同様に送受信ができる様になるのですね。
Gmailを使うメリット
そのメリットを挙げるとすれば以下のようになるでしょう。
・Googleサーバー管理なので、PC環境の影響を受けない
・PCが壊れてもメールが消える事が無い
・迷惑メールやメールの振り分け(フィルタリング)機能が豊富
・過去の送受信メール検索が便利
・場所を選ばずにメールの送受信ができる
・スマホからももちろんOK
・相手にはGmailを使っている事が一切わからない
Googleアカウントは取得済みが前提
まずGmailアカウントは取得している事を前提に進めます。
Gmailとパスワードが発行されていますので、それを元にログインしておいて下さいね。
本記事は、他社メールサーバーで動く独自ドメインをGmailで送受信する事が前提です。G suiteなどで取得した独自ドメインをメールサーバー無しのままGmailで利用する方法とは違いますので、ご注意ください。
Gmailへのメールアカウント追加
では早速設定方法をご紹介しましょう。
まずはGmailの右上にある歯車マーク「設定」をクリックし、すぐ下に出る「すべての設定を表示」を選択しましょう。
メールアドレスの追加
横並びメニューの中から「アカウントとインポート」をクリックします。
次に「他のアカウントでメールを確認」の欄にある「メールアドレスを追加する」リンクをクリックします。
今回使うメールアドレスを入れて「次へ」をクリックします。
他のアカウントからメールを読み込む(POP3)を選択して、次へ進みましょう。
受信設定
まずは受信設定の登録です。
最初から入っている情報は無視して、追加したメールの受信サーバー情報一式を入力します。
・ユーザー名
・パスワード
・POPサーバー
・SSLを利用するにチェック
SSLの設定をONにする場合は、ポート番号を「995」にする事がほとんどです。
この辺りはWEBサーバーの仕様を確認しましょう。
アカウントを追加を押せば、受信設定は完了です。
送信設定
続けてメールの送信設定をしていきます。
次の画面で「はい。○○としてメールを送信できる様にします」にチェックを入れて次へ進みます。
メールアドレス情報
自分のメールアドレスを追加の画面で、「名前」の欄にメールの受信者に表示される名称を入れます。
「エイリアスとして扱います」にチェックを入れて、次のステップへ進みます。
送信サーバー情報の入力
ここも先ほどの受信設定と同じように、最初から入った情報は無視して書き変えます。
・SMTPサーバー名
・ユーザー名
・パスワード
・SSLを使用にチェック
SSLを使用したセキュリティで保護された接続にチェックを入れる場合、ポート番号は「465」になるのが普通です。
これもWEBサーバーの仕様を確認してくださいね。
メールアドレスの認証・テスト
入力が済んでアカウント追加を押すとテストメールが送られてきます。
元入れていたメールソフトなどで確認し、記載されているリンクをクリックするか確認コードを入力します。
いずれかの方法で認証されれば、送受信ができるようになります。
送信先として使うメールの変更
これで追加設定は終了しましたが、送信先アドレスのデフォルトは「Gmailのメール」の方です。
このまま新規メールを送信すると、Gmailのメールアドレスでメールが届いてしまいます。
ですので、新規メール時は自動で「独自ドメインメール」から相手に届くように設定します。
送信メールの変更設定
先ほどと同様に右上の歯車アイコン→「すべての設定を表示」→「アカウントとインポート」へ進みます。
「名前:」の欄に表示されている独自ドメインのメールアドレス横の「デフォルトに設定」をクリックしましょう。
「デフォルトの返信モードを選択」の欄は「メールを受信したアドレスから返信する」にチェックします。
これで送信に使われるメールが独自ドメインのメールになります。
問題:メールが迷惑メールに入る
これで一通り設定は完了し、Gmail上で送受信ができる様になりましたね。
非常に便利なGmailでの送受信ですが、一つ大きな課題があります。
それはこのGmail画面から送ったドメインメールによる送信メールが、相手の迷惑メールに入る場合がある事です。
送信サーバーをなりすましている
例えばinfo@lpeg.infoをGmailに登録し、このinfo@lpeg.infoから相手にメールを送信したとします。
この場合表面上はlpeg.infoから送った事になりますが、実はlpeg.infoのサーバーからではなくGoogleのサーバーから送信しています。
このように送信先を成り済まして送信する事を「なりすましメール」と呼ぶ訳です。
スパムメールや迷惑メールに間違われる
いわゆるスパムメールや迷惑メールがまさにそれにあたります。
今はこのようなスパムメールを感知してブロックするセキュリティ機能が充実していますので、迷惑メールに入ったり届かなかったりするのです。
もちろんなりすますつもり等はないのですが、今回の様にGmailを使って送受信すると疑われても仕方ありません。
対応策はSPF設定
これは少し上級者向けの設定になりますが、ドメインのDNSに対してSPF設定をする事です。
ドメインの送信サーバーとしてGoogleサーバーの使用許可を出す
これはドメインのDNSサーバーに対し、このドメインのメール送信サーバーに「googleサーバー」を使っている事を申請する事が目的です。
そうすればなりすましている訳では無く、あえてGoogleサーバーを使って送信している事がDNSで証明されます。
これで送信メールが相手の迷惑メールに入ったりする事がなくなるのです。
SPFレコードの追加
このSPF設定(txtレコード追加)はDNSサーバーのサービスごとに設定手順が違います。
・お名前.com
・さくらのドメイン
・X-domain
・バリュードメイン
ドメインを管理しているサービス会社を調べ、そのドメイン会社の「DNSレコード追加に関するマニュアル」を確認してください。
SPFレコード追加例
記述するのはtxtレコードで「include:_spf.google.com」を追記する事になります。
下の例の様に既にtxtレコードが入っている場合があります(txtレコードが全く無い場合もあり)。
ホスト | ターゲット | タイプ |
---|---|---|
@ | v=spf1 ip4:210.129.49.109 include:_spf.lpeg.info ~all | txt |
txtレコード記述ルール
v=spf1 ip4:IPアドレス ip4:IPアドレス2 include:サーバー名1 include:サーバー名2 ~all
v=spf1は固定で、続けてip4:の記述が複数あったり、include:の記述が複数あったりします。
上記の様に既にv=spf1 から始まる記述がある場合は既にSPFレコードが入っている事になります。
ですので内容は消さずに「追記」していくようにしましょう。
今回の様にinclude:でサーバー名を追加したい場合、半角スペースを付けてもう一度include:を記述します。
includeを2回指定している例
ホスト | ターゲット | タイプ |
---|---|---|
@ | v=spf1 ip4:157.7.44.166 include:_spf.lpeg. info include:_spf.google.com ~all | txt |
最後は「半角スペース~all」で終わる様にまとめましょう。
v=spf1が入ったtxtレコードは1件しか認められないので、全て従来のtxtレコードに追記をする必要があります。