DNSレコードの追加事例(お名前.com管理ドメイン実際の操作例)

DNSレコードの追加事例(お名前.com管理ドメイン実際の操作例)

DNSレコードの追加事例(お名前.com管理ドメイン実際の操作例)

お名前.com管理のドメインでDNSレコードを追加する実際の案件事例をもとに、どのように設定を掛けたかをご紹介します。

今回の事例はいずれも、まずはwwwなしのドメイン名でAレコード(IPアドレス)を追加します。

wwwありのホストなどCNAMEレコード(別名)が必要であれば、サーバー名を追加しましょう。

MXレコードではメールサーバー名を指定しましょう。この時、特定ホスト名の欄は空白でOKです。

DNSレコード追加はWEBとメールとでサーバーを分ける時に使う

本記事では、実際に請け負ったDNSレコードの追加作業手順および入力例をご紹介します。

DNSレコードの追加は、WEBとメールとでそれぞれ違うサーバーを使う際に設定します。

これらは自分で入力する値を調べて、全て手動で設定する作業になります。

DNS切替とDNSレコードの追加は違う

WEBサイトやメールを丸ごと引っ越しする場合は、ドメインの「ネームサーバー情報」を切り替えるだけで済みますよね。

このネームサーバー変更作業の事を、「DNS切替」と呼ぶ場合もあります。

それに対しWEBサーバーとメールサーバーとを分ける場合は、DNSをレコード単位で登録する必要があるのですね。

これがDNSレコード追加(編集)と呼ばれる作業です。

すべて自己責任で設定

DNSレコードは全て自分で設定する訳ですし、どんな値を入れてもエラー画面は出ません。

もし設定を間違えてしまうと、WEBが表示されない・メールが送受信できない等のトラブルが起きる訳です。

自己責任になりますので、十分注意して進めて下さい。

お名前.comの管理画面を軸にした実例

今回DNSレコードの変更手順は全て「お名前.com」のドメインDNSレコード編集画面をベースにしています。

ドメイン管理会社によって画面や手順に違いはありますが、設定する内容はほぼ同じになります。

今回は実際に設定した、WEB・メール先を分けた3つの事例をご紹介します。

DNSレコード追加の方法

今回紹介する3つの事例はいずれも、ドメインをお名前.comで管理しています。

ですのでWEBやメールの設定準備が整ったら、お名前.comのドメインNaviへログインをして、DNSレコードの設定ページへ進む事になります。

詳しい操作方法については、DNSレコードの設定ページをご覧ください。

お名前.comにおけるDNSレコード変更時の仕様

お名前.comのDNSレコード設定を利用する場合、ドメインは自動的に以下のネームサーバーに変更されます。

お名前.comDNSサーバー

01.dnsv.jp
02.dnsv.jp
03.dnsv.jp
04.dnsv.jp

実際の設定画面の一番下にも、上の4つのサーバー名が記載されています(チェックをつける欄もあり)。

上記の設定はお名前.comでDNSレコードを設定する際のネームサーバーです。

この画面でDNSレコードを設定する際、WEBサーバー先とメールサーバー先のレコードは必ず追加する必要があります。

「WEBサーバー先のみ」「メールサーバー先のみ」「TXTレコード設定のみ」設定しているケースはあり得ません。エラーの原因になりますので注意が必要です。

実際のDNSレコード追加状態

実際の登録内容は以下のようになります。

Aレコード設定(WEBサーバーwwwなし)

ホスト名 TYPE TTL VALUE 優先
llpeg.info A 3600 157.7.44.176

Aレコードのホスト名には、wwwなしのドメイン名にします。

AレコードのVALUE欄には、必ずIPアドレス(数値とドットの組み合わせ)を入れるようにします。

CNAMEレコード設定(WEBサーバーwwwあり)

ホスト名 TYPE TTL VALUE 優先
www.llpeg.info CNAME 3600 llpeg.sakura.ne.jp

CNAMEレコードのホスト名は、wwwありのドメイン名を入れるようにします。

CNAMEレコードのVALUE欄には、必ずサーバー名を入れるようにします。

MXレコード設定(メールサーバー)

ホスト名 TYPE TTL VALUE 優先
llpeg.info MX 3600 llpeg.sakura.ne.jp 10

MXレコードのVALUE欄には、メールで使うサーバーのサーバー名を入れる様にします。

この時MXレコードのホスト名の欄は空欄になっていますが、何も入れる必要はありません。

入力内容は注意しながら1行ずつ

上記のサーバー名は架空のものですが、実際にはこれまでコピペしてきたサーバー名やIPアドレスを入れる様にして下さい。

DNSレコードを追加する場合は、それぞれ1行ずつおこないます。

いずれもTTLは基本「3600」、MXレコードの優先は「10」にして下さい。

DNSネームサーバーにチェックを入れる

お名前.comの場合は設定の最後に、「お名前.comのネームサーバーを使う」チェックを付ける部分があります。

図:DNSレコード変更後

ここにはチェックを付けて先に進んで下さい。

変更内容確認

この設定を終了した後に再度確認すると、以下の様な状態になるはずです。

図:DNSレコード変更後

共通DNSサーバー情報

ホスト名 TYPE TTL VALUE 優先
llpeg.info NS 86400 01.dnsv.jp
llpeg.info NS 86400 02.dnsv.jp
llpeg.info NS 86400 03.dnsv.jp
llpeg.info NS 86400 04.dnsv.jp

上記は、今回の設定で反映されるネームサーバー(DNSサーバー)です。

今回紹介するいずれの事例でも、まずはこの4つのDNSサーバー名が入り、この下に自分が入力した設定が並びます。

このようにDNSレコードを追加する場合、ネームサーバー情報はお名前.comのDNSサーバー情報に変わってしまう事に注意しましょう。

もし仮に設定を間違えた場合は、前のネームサーバー情報に戻す必要があります。元のネームサーバー情報や設定されていた場所を控えておきましょう。

反映には半日程掛かります。

このDNSレコードの変更が反映されるのは、数時間から半日程掛かります。

きちんと設定できているか不安ですが、入力内容に間違いが無いのであればじっくりと落ち着いて待ちましょう。

焦って再度変更したりせずに、まずは変化が起きるまで待つべきです。

それでは以下より、様々なケースにおけるレコード追加の事例をご紹介していきましょう。

WEBはHetemlレンタルサーバー、メールはさくらインターネットの場合

まずWEBサイトはHetemlサーバーに入ったデータを表示し、メールはさくらインターネットのメールサービスを利用する場合です。

案件実施の経緯

このクライアントは元からHetemlサーバーでWEBとドメインメールの両方を利用していました。

ある時クライアントから、メールアカウント等の管理画面をこちらで操作できる様にしたいと要望された事が発端です。

Hetemlサーバーはメール管理画面が独立しておらず、他クライアントのデータも見えるので、コントロールパネル情報を提供する訳にはいきません。

ですのでメールサーバーのみ、さくらインターネットの「さくらのメールボックス」プランを利用する事にしました。

WEBサーバーIPアドレスの確認

まずはWEBサーバーとして継続するHetemlサーバーのIPアドレスを調べます。

HetemlサーバーのWEBサーバーアドレス

hetemlのサーバー情報

この情報は管理画面右メニューの「アカウント情報」欄にあります。

ロードバランサ―IPアドレスをコピペ(メモ)しておきましょう。

さくらのメールボックスの契約、設定

さくらインターネットのメールサービス「さくらのメールボックス」を別途契約し、元々使っているメールアカウントを全て登録します。

クライアントが利用するメールソフトもさくらのメールボックス向けの変更が必要になりますので、ここは適宜対応する必要があります。

サーバーの引っ越し時と同様で「メール設定の移行」をするのがセオリーです。

2重登録の簡単な方法はこちらから

さくらインターネットのメールサーバー情報の確認

さくらインターネットのメールサーバー名は、「契約したアカウント名」の後ろに「sakura.ne.jp」が付く名称です。

メールサーバー名の例

aaabbbccc.sakura.ne.jp

契約したアカウントおよびサーバー名は管理画面に表示されているので、確認してコピペしておきましょう。

実際のDNSレコード追加状態

実際の登録内容は以下のようになります。

1行ずつ追加をするので、WEBとメールとで2行DNSレコードを追加します。

ホスト名 TYPE TTL VALUE 優先
www.llpeg.info A 3600 157.7.44.176
llpeg.info MX 3600 llpeg.sakura.ne.jp 10

CNAMEレコードについて

今回はCNAMEレコードを追加していません。

wwwなしでWEBサイトを表示した場合は強制的に、wwwありのアドレスに転送する様にしているためです。

※wwwありを正式なアドレスとし、htaccessでリダイレクトを掛けています。

その様にしない場合は、wwwありでもなしでも基本的には同じWEBページが表示されるべきです。

CNAMEの登録ルール

CNAMEレコードはAレコードに設定された正規ホスト名の「別名」を設定するものです。

ですのでAレコードの設定がされていないと、CNAMEレコードは登録できません。

さらには特定ホスト名、つまりサブドメイン部分を必ず入れる必要があります。

サブドメインなし(@など)、Aレコードで設定(最初に登録)
サブドメイン名を入れて、CNAMEレコードで設定

※これはお名前.comのDNSレコード仕様になりますので、他社でも共通のルールではありません。

WEBはWIX、メールはエックスサーバーの場合

次はWEBサイトはWIXサーバーのデータを表示し、メールはエックスサーバーのメールサービスを利用する場合です。

案件実施の経緯

これは以前、WEBサイトはWIXサーバー、メールは別サーバー移転のケースの記事でご紹介した案件です。

WIXサーバーに引っ越しをしようとしたが、WIXではドメインメールがアカウント毎に有料である事がわかったため、個別に分ける事になりました。

今回は諸事情で一旦エックスサーバーにWEB・メール共に引っ越しをしています。

その上でWEBサーバーだけWIXの方に向けるため、元々のネームサーバー情報は以下になっています。

元のXserverネームサーバー情報

sv1.xserver.jp
sv2.xserver.jp
sv3.xserver.jp
sv4.xserver.jp
sv5.xserver.jp

エックスサーバーはメール専用プラン等は存在しないため、X10プランの契約です。

WEB・メールともに一度引っ越しをしているので、クライアントのメールソフトは既に全てエックスサーバーのメール設定情報になっています。

WEBサーバーのIPアドレス・サーバー名確認

まずはWixサーバーのIPアドレスやサーバー名を調べる必要があります。

Wixサーバーのドメイン設定画面でドメイン設定すると、DNSレコードの設定情報の記載がある箇所があります。

Wix側では既にドメイン設定およびWEBサイトの制作は済んでいる事が前提です。

WIXサーバーのドメイン設定情報
WIXサーバーでドメイン設定をした際の情報

上記のIPアドレスやホスト名の部分をコピペしておきましょう。

メールサーバーのサーバー名の確認

今回メールサーバーとして使うのは引き続きエックスサーバーなので、管理画面からサーバー名を調べましょう。

サーバー情報欄に記載がありますのでコピペしておきます。

メールアカウントに関しては今の設定のままなので、特に触る必要はありません。

Xserverサーバーのサーバー情報
Xserverサーバーのサーバー情報

実際のレコード追加状態

ホスト名 TYPE TTL VALUE 優先
llpeg.info A 3600 23.236.99.147
www.llpeg.info CNAME 3600 www99.wixdns.net
llpeg.info MX 3600 sv15000.xserver.jp 10

まずwwwなしのAレコードとして、メモしたWixサーバーのIPアドレスを入れています。

wwwありはCNAMEレコードで、メモしたWixサーバーのサーバー名を入れています。

メールサーバーはMXレコードで、エックスサーバーのサーバー名を入れています。

全て前項でコピペしたデータを入れて間違いの無いようにしましょう。

おわかりの様に、これまではXserverのネームサーバー情報(5行)を入れるだけで済んでいましたが、DNSレコードを使う際は、改めてWEBサーバー名・メールサーバー名などを指定する必要があるのです。

WEBはエックスサーバー、メールはHetemlの場合

最後にWEBサイトはエックスサーバー、メールはHetemlのサーバーを利用する場合をご紹介します。

案件実施の経緯

元々はHetemlで運営をしていたのですが、契約中のプランにはLet'sEncript等の無料SSLサービスがありませんでした。

今回緊急でSSL設定をする必要が生じたため、WEBサーバーのみ別サーバーに引越ししてメールはHetemlのままとします。

エックスサーバーであれば無料SSLが利用できるためですね。

維持費はHetemlに加えてエックスサーバーのサーバー利用料が別途掛かりますが、SSLの維持費が発生するよりは安く済みます。

HetemlWEBサーバーのIPアドレスの確認

まずはHetemlの管理画面にログインして、契約サーバーのサーバー名を確認します。

これがメールサーバー先(MXレコード先)として使われます。

メール設定は従来のままになるので触る必要はありません。

Hetemlサーバーのサーバー名
管理画面右メニューの「FTPアカウント」のページに表示されています。

ホスト名の欄にあるサーバー名をコピペしておきましょう。

エックスサーバーの契約サーバー名を確認

次にWEBサーバー先となる、エックスサーバーのIPアドレスを確認します。

先ほどと同じで「サーバー情報」欄にIPアドレスが表示されているので、コピペしておきます。

Xserverサーバーのサーバー情報
Xserverサーバーのサーバー情報

大前提ですが、エックスサーバー側にはドメイン設定をして、WEBデータは稼働するよう準備しておきましょう。

実際のレコード追加状態

ホスト名 TYPE TTL VALUE 優先
llpeg.info A 3600 183.96.240.5
www.llpeg.info CNAME 3600 sv15000.xserver.jp
llpeg.info MX 3600 ftp200.heteml.jp 10

まずはwwwなしをAレコードで、エックスサーバーのIPアドレスを入れています。

wwwありはCNAMEレコードで、同じくエックスサーバーのホスト名を入れています。

メールサーバーはMXレコードで、Hetemlサーバーのホスト名を入れています。

全て前項でコピペしたデータを入れて間違いの無いようにしましょう。

DNSレコード追加が上手くいかない場合

どれだけ他の人の記事を読んでも、自分の環境と全く同じケースというのは無いはずです。

最終的には自分の環境・条件でレコード追加をしなければなりません。しかも自己責任です。

慣れていない人は不安だと思いますが、間違えたとしてもまずは落ち着きましょう。

その上で、設定を一旦元の状態に戻せば良いのです。

・設定欄に戻って、追加したレコードを無効にする
・ネームサーバー情報を元の情報に戻す

以下より元に戻す手順を1つずつ紹介します。

追加したDNSレコードのON・OFF

追加をした時と同じ手順でDNSレコード設定欄のページにいきましょう。

追加したレコードの右端に「有効・無効」の選択や削除チェックマークがあります。

DNSレコードの有効・無効や削除チェック

チェックを付けて削除をしても良いですが、一旦無効にしておけば設定は残るので間違いを検証するのに便利です。

一番下に「DNSレコードの全削除」をするリンクもあります。

DNSレコードの全削除

いずれかの方法でレコード設定を無効にしましょう。

レコードを無効にした場合、以下で紹介するネームサーバーを切り替えた後もレコード設定は残ります。その方が修正はしやすくなると思います。

元のネームサーバー情報に戻す

DNSレコードを追加した事で、元のネームサーバー情報は変わってしまっています。

なので元の状態へ戻すため、以前のネームサーバー情報に再度書き換える必要がある訳です。

ネームサーバー情報を変更するページに飛んで、あらためて設定をしましょう。

こうすれば設定前の状態に戻ります。

いつでも元に戻れる様に、DNSレコードを触る前に必ずネームサーバー情報の欄に行ってその値をメモしておくべきです。

お名前.comRSサーバーを使っている場合

お名前.comでドメインを管理していると、レンタルサーバーもお名前.comを使っている人が多いのではないでしょうか。

お名前.comには「RSサーバー」というレンタルサーバープランがあります。

このRSプランを使っている人がDNSレコードを編集する際は注意が必要です。

RSプランは他社サーバーと同じ扱い

例えばRSプランでWEB・メールを稼働させているドメインに、新しくTXTレコードを追加したいとします。

RSサーバーは同じお名前.comの中にあるので、DNSレコード編集画面にTXTレコードだけ追加しようとするかもしれません。

しかしそれではWEBもメールも動かなくなります。

これまでお話した通り、WEBサイトのAレコード(IPアドレス)、CNAMEのホスト名、XMレコードのメールサーバー名を全て入れた上で、TXTレコード追加をする必要があるのです。

RSプランには専用のネームサーバー情報があるので、「他社レンタルサーバーと同じ扱い」と考えて下さい。

仮にWEBサイト先はお名前.comRSサーバー、メール先はロリポップ、としたい場合、DNSレコード画面にそれぞれRSサーバーのIPアドレスやロリポップのメールサーバー情報を入れる必要があります。

RSプラン専用のDNS編集画面

実はRSプランには、ドメインのDNSレコードを編集する画面が別にあります。

これまで説明した、ドメインDNSレコード編集画面とは別物です。

単にTXTレコードを入れたいだけなら、ドメイン側のDNSレコード編集画面ではなく、RSプラン専用の編集画面から行う事になります。

まとめ

以上DNSレコードの追加に関する事例をご紹介しました。

今回のポイントは以下になります。

DNSレコード追加のポイント

・wwwなしのドメイン名でAレコードを設定する(必須)
・AレコードはIPアドレスで指定する
・次にwwwありのドメインでCNAMEレコードを設定する
・CNAMEレコードはサーバー名を指定する(別ドメインも可能)
・MXレコードはメールを利用するサーバー名で指定する
・いつもで元に戻れる様に、元のネームサーバー情報はメモしておく事

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