Wordpress構築データをhostsファイル無しで事前確認する方法

Wordpress構築データをhostsファイル無しで事前確認する方法

Wordpress構築データをhostsファイル無しで事前確認する方法

Wordpressをリニューアルすると同時にサーバーも移転するケースが多いです。

一般的にはhostsファイルを使って事前確認しますが、設定した端末では元サイトが見れないデメリットがあります。

環境によりますが、サブドメインを設定し、DNSサーバーでホスト指定してあげれば新旧両方のサイトが事前確認できます。

Wordpress構築データを事前確認する時

Wordpressサイトをリニューアルする時、構築データが正常に稼働しているかどうかは絶対にチェックします。

この時、同じサーバー内でWordpressにリニューアルするのであれば、確認は簡単ですよね。

一つ下の任意のディレクトリにWordpressを入れてデータを作成し、完成後にTOPディレクトリに表示先を切り替えるだけで済みます。

リニューアル&別サーバー移転の場合

ところが時には、Wordpressでリニューアルすると同時に、別サーバーへ移転するケースがあります。

こういった案件は多いです。

その場合は、hostsファイルを使ってサーバー切り替え前にデータ確認するのが一般的でしょう。

このhostsファイルでの確認には、メリット・デメリットがあると言えます。

hostsファイルのデメリット

確かにhostsファイルは、PC設定さえできればすぐに事前確認ができます。

しかしhostsを設定すると、その端末ではリニューアル前の従来サイトを見る事ができなくなります。

hostsファイルはその端末自体のDNS先をドメインで指定するので、どうしてもそうなります。

hostsを使わない方法もある

そこで本記事ではhostsファイルではなく、サブドメインとDNSレコードを使った方法をご紹介します。

hostsファイルと比べて手間が掛かり、正直少し難易度が高いのですが、これくらいの事はできる様になっておくべきです。

クライアントに対しhostsファイルの変更操作や、PC別に確認してもらうなどの手間を掛けずに済みます。

実現する条件

・ドメインの管理が手元にある事
・DNSレコードを編集できる環境にある事

上記の通りドメインの管理を持っていて、DNSサーバーが使える環境が必要です。

Wordpressのインストール

元サイトがどのような環境であっても、Wordpressでリニューアルする以上、まずはインストールからです。

まずはTOP配下に任意のディレクトリを作って、その中にWorpdressをインストールします。

例えば/cms/ディレクトリにインストールした場合、以下の様になりますね。

本ブログドメインの場合

・Wordpressインストールディレクトリ:https://lpeg.info/cms/
・データの出力先:https://lpeg.info/cms/

インストール先・データ出力先ともに「/cms/」の中になります。

まずはこのままサイトの移設・構築を進めます。

一番最後に、データ出力先を一つ上のTOPディレクトリに移動させる訳ですね。

移転先サーバーでサブドメイン設定をする

サブドメインの設定

次に移転先のサーバーで、インストールしたディレクトリ「/cms/」に対し、サブドメインを設定します。

・設定先ディレクトリ:https://lpeg.info/cms/
・サブドメイン:https://cms.lpeg.info/

上記の様に、設定した「ディレクトリ名」と「サブドメインのホスト名」とが同じ名前になるのが普通です。

サブドメインの設定の仕方については、各レンタルサーバー会社のマニュアルをご覧ください。

サブドメイン設定後のWordpress

サブドメイン設定後は、以下の様な流れになります。

https://cms.lpeg.info/のURLを打つ

https://lpeg.info/cms/にあるWordpressサイトが表示される

まだ切り替え前なので設定が反映されることは無いのですが、ここまで準備をしておきましょう。

DNSレコードの設定

次にいよいよDNSレコードの設定です。

今はドメインのネームサーバー情報欄に、移転元レンタルサーバーの情報が入っているはずです。

WEBもメールも同じサーバーを利用している状態ならば、それが普通ですね。

DNSレコード編集画面へ進む

まずはドメインの管理画面にログインし、DNSレコードを編集する画面まで進みましょう。

このDNSレコードを追加・編集するまでの手順や方法は、ドメイン管理会社ごとに違います。

本サイトでもDNSレコードの追加方法は紹介していますので、本記事内を検索頂くか各会社のマニュアルをご覧ください。

サブドメイン設定を反映させる

DNSサーバーを利用する理由はズバリ、先程移転先で設定したサブドメイン機能を稼働させることです。

サーバー全体を切り替える前に、「https://cms.lpeg.info/」のURLだけ新しいサーバーに向けるのです。

具体的には、DNSレコード設定でホスト名「cms」を追加し、移転先のIPアドレスを指定します。

ホストcmsのAレコード追加例

エントリタイプデータ
cmsA121.168.11.232(架空)

上記はホスト名が「cms」で「Aレコード」を設定し、移転先サーバーのIPアドレスを入れた状態です。

サブドメインだけ新サーバーを向く

上記の様に設定をした場合、WEBサイトはもちろんリニューアル前のデータが表示されますし、メールもそのままです。

https://cms.lpeg.info/と入力した時だけ、移転先サーバーで設定したサブドメインが稼働する訳です。

これにより「https://cms.lpeg.info/」で、リニューアルしたWordpressサイトが確認できる様になります。

https://lpeg.info/…従来サイト
https://cms.lpeg.info/…リニューアルサイト(移転先)

上下はアドレスが違いますが、いずれも新旧の同じサイトを開く事ができます。

リニューアルサイトを確認したり、ログインして内容修正したりもできる訳です。

移転先のログインURL

設定したサブドメインのWordpressにログインするURLは以下になります。

https://cms.lpeg.info/wp-admin/

これでリニューアル中のWordpressログイン画面が表示されます。

ネームサーバーをDNSサーバーに切り替える事

先程、ホスト名「cms」を入れて移転先サーバーのIPアドレスを追加すればOKと言いましたが、実際にはそうではありません。

単に「cms」のAレコードを追加するだけで済ますと、WEBもメールも利用できなくなります。

レコードを追加する前に「従来のネームサーバー」から「DNSサーバーの利用へ切り替える」必要があるからです。

ネームサーバーを辞めて、DNSサーバーを利用する

例えばWEBとメールとで別々のサーバーを使ったりする場合に、DNSサーバーは利用されますよね。

今回も「cms」のホスト名の時に違うWEBサーバー先を使う訳ですから、DNSサーバーが絶対に必要です。

基本レコード情報の追加

ネームサーバーを辞めてDNSサーバーを使うには、基本レコード情報の登録が必須です。

それは「DNSサーバー先、WEBサーバー先、メールサーバー先」のレコードです。

基本のDNSレコード追加

エントリタイプデータ
@NSns1.dns.ne.jp.
@NSns2.dns.ne.jp.
@A192.168.1.100(架空)
@MXsv5555.xserver.jp(架空)

NS…DNSサーバー名(2つ)
A…WEBサーバー先(IPアドレス)
MX…メールサーバー先(ホスト名)

上記のレコードが揃っていれば、以下のサブドメインの指定ができる訳です。

エントリタイプデータ
cmsA121.168.11.232

付随して何か別のサービスを受けている等の制約があれば、以下も必要になります。

・CNAMEレコード(任意)
・TXTレコード(任意)

ネームサーバー情報のみを入れていた時は、ここまで設定する必要はありませんでしたよね。

しかし今回サブドメインだけ移転先サーバーを向けるためには、どうしてもこれらのレコード設定が必要になるのです。

まずはDNSサーバーの基本レコードで確認

ですのでサブドメインを設定する前に、まずは上記の基本レコード情報を入れた状態に切り替えてみましょう。

これでWEBやメールがきちんと稼働しているかどうかを確認してみる訳です。

問題なくWEBとメールが稼働しているのがわかれば、次は安心してcmsのAレコード追加ができますよね。

1回目の設定でDNSサーバーを利用した環境に変え、2回目でサブドメインのIPアドレスを追加するのが良いでしょう。

確認後はサーバー引っ越し

クライアント側でサイトの状態確認や中身の追加などが終わったら、後はサーバー切り替えをするだけです。

もちろんドメインメールのメーラー設定なども済ませておく必要があります。

出力先をTOPへ

ここでリニューアルしたWordpressページの出力先を、/cms/ディレクトリからTOPディレクトリへと変更します。

これでWordpressの管理画面があるディレクトリの一つ上の階層(TOP)に、TOPページが表示される様になります。

こうするとサブドメイン「https://cms.lpeg.info/」で出力ページは見れなくなりますが、問題はありません。

ネームサーバー情報変更

改めてドメインのネームサーバー情報を新しいサーバー先に向けましょう。

先程設定したDNSサーバーの方ではなく、通常のネームサーバー情報を設定します。

これによりあらためてWEB・メール共に、新しいサーバーのデータが読み込まれる事になりますね。

やっとリニューアルしたWordpressサイトが完成・公開となる訳です。

サブドメインもDNS設定も解除

ネームサーバー情報を入れると、当然先程まで設定していたDNSレコード情報はすべて解除されてしまいます。

わざわざDNSレコードを設定したのに、またネームサーバー情報に戻すなんて、何て面倒な方法なんでしょう。

そのあと、新しいサーバーに残っているサブドメイン設定も解除しておきましょう。

両者の比較

hostsファイルと今回の方法のメリットデメリットを比べてみました。

hostsファイルサブドメイン+DNS設定
自分側の操作簡単にできる設定に手間が掛かる
扱う
設定ファイル
hostsファイルのみサブドメイン設定が必要
DNSレコード設定が必要
クライアントの操作PC操作に慣れていないと
設定が難しい
何もする必要なし
設定後そのPCで旧サイトが見れないどちらのサイトも見れる
設定のON・OFF都度hostsを編集する
必要がある
ON・OFFの必要なし

何より1台のPCで新旧両方のサイトが見れるのは便利ですし、クライアントに負担が掛からない点はサービスの一環となります。

hostsファイルもそんなに手間は掛からないのですが、新旧両方のサイトが1台のPCで見れないのがやはりネックです。

サイトの引っ越しの場合

今回はWordpressサイトのリニューアルが前提で、ここまで紹介をしてきました。

実はサイト引っ越しの時もこの方法が使えなくは無いのですが、注意が必要です。

TOPディレクトリにWordpressがインストールしてある場合

例えば、TOPディレクトリにそのままWordpressをインストールしているサイトもありますよね。

引っ越しの環境は新旧で揃えなければなりませんので、移転先でもWordpressをTOPディレクトリにインストールする必要があります。

仮に一つディレクトリを作ってインストールすると、ページはともかく他ファイルのパスが変わります。

URLは変わらないが、ファイルパスが変わる

出力先をTOPに変えれば、表示されるページのURLは確かに移転元と同じになります。

しかしテーマ内のソースファイルや画像ファイルのパスは、ディレクトリが入った事で変わってしまいますよね。

SEO(画像検索SEO)およびその順位に重きを置いている際は、この方法は使わない方が良いかも知れません。

任意ディレクトリ内にWordpressがインストールしてある場合

移転元ですでに特定ディレクトリ内にWordpressがインストールしてある場合、大抵その出力先はTOP(一つ上)になっています。

それに対し移転先では、Wordpressシステムも出力先も任意ディレクトリの中に入っている事がルールです。

そうでないとサブドメインでページを表示させる事ができません。

移転元…インストール先は任意ディレクトリ内、出力先はTOP
移転先…インストール先、出力先ともに任意ディレクトリ内

この様に両サイトの「出力先」に食い違いが出てくるので、この方法はお勧めできない事になりますね。

こういった場合は移転元と同じ様にインストール先と出力先を揃え、hostsを使いましょう。

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