GoogleアナリティクスUAとGA4ではPV値が大きく違う事に注意
アナリティクスのUAとGA4の初期設定とでは、PV数(GA4では表示回数)に大きく差が出ます。
GA4にしきい値が設定されているため、少ない訪問ユーザー数はカウントされないようになっています。
設定のレポート用識別子でGoogleシグナル単位からデバイスID単位に変更すると、UAとほぼ同等の数値が出てくれます。
UAとGA4ではPV値に差が出る
みなさん、GoogleアナリティクスはGA4に既に移行済みでしょうか。
GA4を使う様になってまず最初に思うのが、管理画面の違いでしょう。
どこがどこにあるのかよくわからずにストレスがたまりますよね。
さらに驚くのがPV数値の違いで、GA4とUAでPV数を比較するとGA4の方が低くなる場合があります。
本記事では両者の数値に大きな違いが出る理由と、その数値を合わせる方法を紹介していきます。
UAのPV数値とGA4のPV数値
では本サイト「えるぺぐ」で、同期間中のUA・GA4の計測によるPV数値の差を比較してみたいと思います。
GA4のPV数の見方
GA4ではPVという名称ではなく「表示回数」という項目になっています。
管理画面左のメニューから「レポート」をクリックします。
表示されたメニューから「エンゲージメント」の欄にある「ページとスクリーン」をクリックしましょう。
「ページ タイトルとスクリーン クラス」という表データが開きます。
このリスト項目一番左の「表示回数」の欄が、UAにおけるPV数に該当します。
数値に大きな差がある
両者のとある「1日」のPV数は、以下の様になっていました。
・UA…3,241PV
・GA4…806PV
GA4とUAで、1日でなんと約2,400もの数値差が出ている事になります。
何も知らずにこれを見ると、GA4で計測するとこの数値なんだと思う人もいるでしょう。
これまで見ていたUAより、GA4の方が当然測定精度が上がっているはずですからね。
でもそんな事はありません。UAの数値もGA4の数値も間違っていないのです。
数値に差が出る理由は「しきい値」
ではなぜGA4とUAでここまで数値に差ができるのでしょうか?
Googleシグナルによるしきい値
以下のGA4の画面をよく見てみると、右上に注意アイコンが表示されています。
このアイコンをクリックすると、「しきい値」に関して説明文が書かれています。
しきい値を適用しました
このレポート内の1つ以上のカードにしきい値が設定されているため、データ集計の最小しきい値を満たした場合にのみ、カードにデータが表示されます。
つまりGA4ではしきい値が適用されているため、最小値を満たしていないデータは表示していない事になりますね。
初期設定では全てのデータを拾っていないので、UAと比べて数値が低くなる訳です。
しきい値が適用される理由
GA4でしきい値が適用される理由に、以下の理由があります。
少ないユーザー数を全て対象にしない
これはGoogleシグナルが有効になっていて、かつ指定期間のユーザー数が少ない場合に反映されます。
非常に少ないユーザーの集まりは除外される傾向にあるという事ですね。
ある程度まとまったボリュームの検索ワード・訪問ページ等が対象になり、それ以外の細かい数値が含まれません。
※これが「データ集計の最小値を満たした場合」を意味し、このしきい値の調整はできません。
えるぺぐサイトの場合
えるぺぐBLOGサイトは数多くのキーワードで露出させ、多くのユーザーを少しずつ誘導してPVを稼ぐタイプのサイトです。
狙ったキーワード1点集中で上位表示させ、集客する類のWEBサイトとは違います。
多くの記事ページに少しずつユーザーを呼び込む分だけ、1ページ当たりの訪問ユーザー数は少なくなるのです。
しきい値によって少数の訪問ユーザーは判定されなくなる
例えば以下の様にページごとの訪問者数のリストを出した場合、最初の10件にはある程度のユーザー数がありますが、後半は3人とか2人とかです。
これらの寄せ集めでPV数をたたき出している訳ですが、しきい値によってこれら少数部分が計測されなくなる訳です。
ですのでえるぺぐサイトの場合は、UAとGA4の「数値差」が非常に激しく出ます。
GA4のしきい値を解除する方法
GA4の計測判定は理解できたと思いますが、UA時のPV数と大きく違うのは不安なはずです。
ではどのようにすれば、GA4側の数値をUAと同じにする事ができるのでしょうか。
ズバリGA4の「しきい値」を解除すれば良いのです。そうすれば少数データも全て計測対象に含んでくれます。
このしきい値のON/OFFは、いつでもできます。
レポート用識別子を変更する
GA4はデフォルトの計測方法として「Goolgeシグナル」を採用しています。そのためユーザー数が少なく判定されるのです。
GA4とUAの数値を合わせるためには、レポート用識別子を「Googleシグナル」から「デバイスID」に変更します。
このGoogleシグナルを使わずにUAと同じデバイスIDを使用すれば、UAと同じ数値になるという訳です。
デバイスIDに変更する手順
管理画面左下の「管理」をクリックしましょう。
中央のプロパティの欄にある、「レポート用識別子」を探してクリックします。
レポート用識別子
「デフォルトのレポート用識別子」が開きます。
現在チェックがついているのは「ハイブリッド」或いは「計測データ」のはずです。
右下にある「すべてを表示」をクリックしましょう。
表示された「デバイスベース」にチェックを付け替えて保存ボタンを押しましょう。
これでGoogleシグナルからデバイス単位での計測に変わりました。
PV数を確認してみる
ではあらためて表示回数を確認してみましょう。
エンゲージメントからページとスクリーンへ進み、対象は先程と同じ1日を指定します。
すると表示回数の値(UAでは3,241PV)が3,307になった事がわかります。大体同じになりましたね。
これでえるぺぐBLOGサイトでも引き続き少数データを全て集計できるので、大変助かります。