Microsoft New Edgeの特徴 (Chrome系ブラウザGoogleとの関係性)

Microsoft New Edgeの特徴 (Chrome系ブラウザGoogleとの関係性)

Microsoft New Edgeの特徴 (Chrome系ブラウザGoogleとの関係性)

MicrosoftはGoogleChromeと同じChromium系の新ブラウザMicrosoft New Edgeをロールアウトしました。

様々な拡張機能が利用できるWin32系アプリケーションに生まれ変わり、様々なプラットフォームで稼働します。

New Edgeのポイント

・Google Chromeと同系統のエンジンを使ったブラウザである事
・UWPではなくWin32系のアプリケーションである事
・Win10だけでなくWin7やMacでも使える事
・拡張機能が使えるようになった事
・拡張機能を利用するため「Chromeウェブストア」を進めている事

特に拡張機能を利用する際に「Chromeウェブストア」を進めているのが興味深いですね。

Chromium版New Edgeのリリース

Internet Explorer(IE)をWindows10版向けに置き換えたWEBブラウザであるMicrosoft Edge。

Windowsユーザーなら使った事があるブラウザですよね。

このブラウザは昨年から劇的に見直しがされ、Google Chromeと同じChromiumソースコードで再構築が進められていました。

そしてGoogleのChromiumをベースにした「Microsoft Edge」の新バージョン(以下「New Edge」)がWindowsおよびmacOSで正式にリリースされました。

6月にようやくアップデート配布開始

日本では新型コロナウイルスの影響もあり、Windows Updateの配信が延期されていました。

しかし2020年6月に入り、順次日本国内でもWindows UpdateによりChromium版「New Edge」の配布が開始されたようです。

New Edge
New Edgeの画面

※昨日私のPCにも配布されました。

ちなみに今回のEdge正式版がインストールされると、旧Edgeはアンインストールされ「New Edge」に置き換わってしまいます。

Chromiumベースのブラウザ

Microsoftは2018年の終わりからGoogle ChromeのオープンソースベースであるChromiumで、Edgeブラウザの開発を進めていました。

理由としては、既存のEdgeが有するEdgeHTMLブラウザエンジンが持っていなかった「互換性の向上」を提供できるようにするためでした。

Windows標準のブラウザが独自エンジンからChromium系のオープンソースに代わったことは大きな変化です。

要はGoogle Chromeのような様々な拡張機能を使う事ができるようにしたかったのですね。

これによりMicrosoft Edgeは「Vivaldi」や「Brave」など他のChromiumベースのブラウザと競合するようになりました。

1年以上にわたる開発作業とパブリックベータテストの末、MicrosoftはChromiumに基づく新しいレンダリングブラウザを立ち上げます。

これがMicrosoft new Edgeです。

Win7でも使える「New Edge」

Microsoft EdgeはもともとWindows10専用ブラウザでしたが、Chromiumでの再構築により、Win10以外の多くのプラットフォームでも利用できるようになりました。

現在全ての現役バージョンのWindowsと「Microsoft Edge for macOS」でダウンロード利用ができます。

Win7でも利用が可能

さらに既にサポートが終了に達したWindows7のバージョンでも入手が可能です。

これは、2021年7月までWindows7でGoogle ChromeをサポートするというGoogle自身の取り組みの背景が理由でしょう。

デスクトッププラットフォームへの追加だけでなく、EdgeアプリとしてAndroidやiOSなどのスマホ端末でも利用できる様になっています。

「New Edge」の特徴

Win32アプリケーションへの変更

「New Edge」の最も大きな変更点は、UWPからWin32アプリケーション(デスクトップアプリ)になった事です。

後述するIEモードも、Win32アプリケーションになったからこそ実現できた機能と言えます。

UWPとWin32の違い

「UWP」はUniversal Windows Platformの略で、Windows独自のプラットフォームです。

つまりWindowsでしか動かないシステムでした。

WindowsだけでなくMacやAndroid・iosアプリで動かすためには、Win32に変更した方が良いという判断ですね。

MicrosoftはWin32から独自路線のUWPへかじを取ったのですが、ここにきて元路線に回帰した事になります。

「バランス」設定によるトラッキング防止

「New Edge」は初期設定でバランス設定によりトラッキングが無効になっています。

バランス設定
設定から「プライバシーとサービス」の欄にあります。

多くの広告とほとんどのサードパーティーのトラッキングコードをブロックする設定が搭載されています。

Microsoftアカウントによる同期設定

もう1つの特徴は、「New Edge」で同期設定に使うのがMicrosoftアカウントである点でしょう。

Google ChromeがGoogleアカウントの同期によって使える機能とほぼ同じですよね。

プロファイルの同期

同期設定により別デバイス利用・アカウント切替などが可能

Microsoftアカウントでサインインして使うと、自分の情報を別のデバイスでも共有することができます。

また1台のデバイスでEdgeを使う際、個人用と仕事用などアカウントを切り替えて利用することも可能です。

これによりブックマークや履歴、パスワードなどがサインインしたアカウントで別々に保持することが可能です。

ここは両者を大きく分け隔てる部分になると思われます。

IEモードの搭載

「New Edge」にはInternet Explorer(IE)で稼働する古いプログラムを動かす機能が搭載されています。

それが「IEモード」です。IEモードはWindowsでしか稼働しません。

IT管理者がIEを必要とするサイトのリストを定義すれば、「New Edge」内でそれらのサイトを開けるようにする事ができます。

IEモードを有効化すれば、IE11の「Trident MSHTML」エンジンがEdge内で利用できる様になります。

IE Integration
自分のブラウザでは試験段階の機能の欄に表示されています。

IEモード有効化の手順

IEモードを有効化するには以下の2つの方法があります。

・レジストリを編集する方法
・グループポリシーの設定を変更する方法

普通にWEBサイトを開いたり、設定ボタンを押したりしただけでは有効になりません。

セグメントヒープによるメモリ消費量削減

Googleは次期Chromeにおいて、Windows10の「セグメントヒープ」と呼ばれるメモリー管理機能を利用します。

これによりChromeブラウザのメモリー消費量を大幅に削減できるようになるとしています

このセグメントヒープ機能は、もとはUWPアプリケーション向けに提供されていた機能です。

「Windows10 May 2020 Update」では、これがWin32アプリケーションからも利用可能になったのです。

New Edgeもセグメントヒープを利用

Microsoftはこの「Windows 10 May 2020 Update」で「New Edge」にも、セグメントヒープ機能を適用するとしています。

それにより約27%ものメモリ消費低減を実現できるとしており、両ブラウザとも数百MB単位のメモリー使用削減ができると考えられます。

GoogleChromeにつぎ世界で2番目のブラウザシェアへ

マイクロソフトが昨年から再構築を進めていたChromiumベースのブラウザである「Microsoft New Edge」は、世界で2番目に人気のあるデスクトップブラウザとなっています。

「Bleeping Computer」は新しいEdgeがブラウザの市場シェアを大幅に押し上げているとしています。

最新の使用状況データによれば、Firefoxを上回ったという「NetMarketShare」のレポートも出ています。

New Edgeのシェア拡大

Google Chromeは依然として市場の約70%で圧倒的なリードを持っており、それに対しEdgeは現在7.59%に位置しています。

しかしWindowsのデフォルトではないブラウザであるにもかかわらず、3ヶ月間利用された結果2019年3月時点から5.20%もの大幅アップを果たしています。

シェア拡大率としては大幅な伸び率ですよね。

シェア拡大の理由

このシェアアップにはいくつかの理由があります。

まず新EdgeがWindowsとMacの両方で利用できるようになった事が大きいと言えるでしょう。

さらに新しいEdgeはChromiumをベースにしているため、Google Chromeの人気のある全ての拡張機能と互換性があります。

つまり拡張機能を利用するハードルが低いために切り替えがしやすいと言えます。

GoogleとMicrosoftの関係

GoogleとMicrosoftの関係

GoogleとMicrosoftはライバルでありながら少し複雑な関係にあります。

時にこの2つの会社はより良いコラボレーションを実現する事もありました。

そして時には姑息な戦術を使用して、互いの製品のユーザーを盗もうともしていましたね。

後者の例として挙げるならば、Edge上の拡張機能・アドオンサービス等を使用して、「New Edge」のブラウザユーザーをGoogle Chromeにプッシュしていた点でしょう。

EdgeユーザーをChromeへ誘導

Googleは以前から検索サイトやニュース、さらにはGoogle翻訳でも、これらの「Chromeに切り替えましょう」ポップアップをユーザーに表示していました。

元々Googleはこれらのメッセージをサービスに表示する権利を有しているので、堂々とGoogle Chromeのダウンロードを勧めていたのです。

そしてこの度Googleは、全てのオンラインサービスに関するメッセージを「New Edge」ユーザーに表示し始めました。

このメッセージは主にEdgeの追加機能を利用するページを通して、Chromeをダウンロードするよう促すものです。

他の同系統ブラウザへは表示していない

これらのメッセージがMicrosoftの新しいChromiumベースであるEdgeユーザーに表示され始めたのは非常に興味深い事です。

なぜならば、GoogleはこれらのメッセージをOperaなどの他のChromiumブラウザユーザーには表示していなかったからです。

もちろんこれらのメッセージがMicrosoft Edgeユーザーに直接害を及ぼすことはありません。

Microsoftの新しく登場したEdgeが及ぼすであろう影響に、Google Chromeが脅威を感じているのかも知れませんね。

Chromeウェブストアによる拡張機能の利用

MicrosoftのChromiumベースのEdgeブラウザは日本以外では大きな成功を収めており、今も成長を続けています。

しかしEdgeのアドオンストアはまだBETA版の状態なため、必要な機能が見つからない場合もあります。

この部分を埋めるため、MicrosoftはEdgeユーザーにChromeウェブストアから拡張機能を入手するように促しています。

ChromeウェブストアChromeウェブストアのリンクが表示されている

Edgeブラウザの拡張機能ページをアップデート

MicrosoftはEdgeブラウザの拡張機能ページをアップデートしました。

今回のアップデートによる大きな変更はありませんが、注目すべき新しい文面が追加されています。

これが先述した「Chrome ウェブストアで拡張機能を入手することもできます。」という部分です。

あえてライバルサイトへ誘導

その文面は、Microsoft独自の拡張機能マーケットプレイスへ飛ぶ青いリンクの下にあります。

Edgeブラウザ内からGoogleの「Chromeウェブストア」への直接のリンクが設置されているのは驚くべき事ですね。

探している拡張機能をユーザーが競合するChromeブラウザのストアで見つけるように、Microsoft自身が指示しているのですから。

ストア利用における双方の合意

Googleは前までWEBストアを含む自社製品のいくつかでEdgeユーザーに警告メッセージを表示していた経緯もありますから、これは驚くべきことです。

いまは警告メッセージは出ず、普通に利用できる様になっています。

MicrosoftとGoogleがEdgeユーザーのストア利用に関して何らかの合意をした可能性がありますね。

補足

新しいMicrosoft Edgeで「Chromeウェブストア」で拡張機能のダウンロードする場合、Googleアカウントへのログインが必要です。

まとめ:Chromium系Edgeのポイント

新しく登場したMicrosoftのChromium系ブラウザ「New Edge」をご紹介しました。

今回のNew Edgeのポイントをおさらいしておきましょう。

New Edgeのポイント

・Google Chromeと同系統のエンジンを使ったブラウザである事
・UWPではなくWin32系のアプリケーションである事
・Win10だけでなくWin7やMacでも使える事
・拡張機能が使えるようになった事
・拡張機能を利用するため「Chromeウェブストア」を進めている事

一見敵対関係にある様なMicrosoftとGoogleが今後どのような関係性を見せていくのか。

今後の動向に期待したい所ですね。

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