Cookieが消滅したWEB世界におけるSEO(コンテンツは新しいCookieとなりえるか)

Cookieが消滅したWEB世界におけるSEO(コンテンツは新しいCookieとなりえるか)

Cookieが消滅したWEB世界におけるSEO(コンテンツは新しいCookieとなりえるか)

Cookie情報が使えなくなるという事は検索ユーザーの事前情報がない事を指します。

訪問ユーザーとコンテンツがマッチしているかどうかは、検索キーワードだけでは測れません。

コンテンツをユーザーテストに使い測定分析する事で、目的ユーザーに寄せたコンテンツへと変化させる事がSEOになります。

サードパーティーCookieの消滅が与えるSEOへの影響

巷ではCookie利用が消滅するというお話が広まっていますが、これがSEOに影響を与える可能性があります。

Cookieを使ったユーザー追跡が終了するのは、ユーザーのプライバシーを守るためです。

Cookieの存在しないWEB世界に対し、SEO的にどのように備えるかについては多くの議論があります。

中でも新しくCookieの代わりとなり得る有力候補が、コンテンツだと言われています。

本記事ではサイト管理者がCookieに頼らずユーザーのニーズをよりよく把握するため、コンテンツがどのように役立つかを考察してきます。

Cookieとは?

まずCookieとは何か、そして何故Cookie使用に依存しているのかをおさらいしておきます。

Cookieは、Webサイトにアクセスしたときにデバイスに保存される小さなテキストファイルです。

その中には訪問した人(ユーザー)の好みやデータに関する情報が保存されています。

Cookieの役割

Cookieは、買い物かごに商品を保存するだけではありません。

例えば、皆さんがよく目にする以下のコンテンツは全てCookieによって生成されます。

・今後の訪問に備えてログイン情報を保存
・パーソナライズされた割引コードを提供
・興味があるかもしれない記事
・好きかもしれない製品の紹介

ユーザー・管理者両者への恩恵

Cookieは、ユーザーがWEBサイトを効率的に利用できる手助けをしています。

パスワード情報や、ショッピングカートに入れたアイテムデータが保存されたりするのは便利ですよね。

さらに管理者側も、CookieによりユーザーがWebサイトをどのように使用しているかが理解できます。

同時に将来の訪問者のエクスペリエンスを向上させるための、ページ最適化の材料にもなるのです。

悪いCookieの使われ方を問題視

さらにCookieは、広告主がWeb全体で消費者をフォローする事にも貢献しています。

問題は、これが消費者が認識しているよりもはるかに幅広く精度の高い情報を取得する事ができる点です。

これがいま世間の関心を集めている、悪い意味でのCookieの使われ方です。

データ保護規則の制定

この問題に対し、EUの一般データ保護規則(GDPR)や、カリフォルニア消費者プライバシー法(CCPA)など様々な法律がが制定されました。

これらの目的は、特に「不良」と認定されるWebサイトでCookieがどのように使用されているかを消費者に可視化する事にあります。

可視化する主な項目

・管理側によるCookieデータの利用度合い
・シームレスなユーザーエクスペリエンスの作成状況
・サードパーティへの販売
・独自のマーケティング/リマーケティングへの活用状況

これらの行動を消費者がより細かく制御できるようにすることも法整備の目的の一つです。

Cookieの良し悪しは利用方法で決まる

クッキーが良いか悪いかは、管理側がクッキーをどのように使用するかによって異なってきます。

サイトがCookieを生成すると、Web全体にまたがって行動が追跡されます。

代表例を挙げるならば、過去にアクセスしたサイトのコンテンツデータが蓄積される事でしょう。

追跡がユーザーにどう映るか

例えば靴のWEBショップにアクセスしたとします。

そこで何も購入しなくてもCookieが生成されているので、その後別サイトを見ている時も靴のWEBショップから広告が表示される訳です。

このアクションが非常にポイントになるところではないでしょうか。

この広告がユーザーに気に入った靴を発見させる(つまり再訪させる)事に役立ったのであれば、何も言う事はありません。

ところがこの表示を「迷惑」と判断するユーザーもいますよね。追い掛けられている感じがして、プレッシャーに思う人もいる訳です。

このようにユーザーによってその結果は変わってくると言えます。

検索結果のパーソナライズ化がもたらしていたもの

ここが一番SEOにとって重要です。

例えばGoogleは多くのエンドユーザーデータを保持しており、これによるパーソナライズ要素がオーガニック検索結果に変化をもたらます。

ユーザーがCookie生成を許可しさえすれば、検索キーワードや現在地などまで把握する事ができるのです。

Cookieの量に応じてそのユーザーの測定能力が上昇し、「そのユーザーの求めるもの」を導きやすくなります。

Cookie情報でユーザーの意図を予測

Cookieが働くと、そのユーザーの検索語句が本人の検索意図とマッチしていなくても、最適な情報やコンテンツを予測しやすくなる訳です。

となれば管理者側のWEBページが十分最適化されていなくても、ユーザーにリーチされやすくなるメリットがあります。

「入力した検索キーワードだと出ないけど、あなたの目的ってこれじゃないの?」という検索サイト側の気遣いが鋭くなると考えて下さい。

Cookieが遮断されると補助が効かない

仮にCookie情報が使えなくなると、ユーザー情報が蓄積されないので検索のパーソナライズ化が進みません。

こうなると個人の要素が全く入らない、ごく一般的な検索結果が表示される事になります。

検索キーワードが簡単で、具体性の低いクエリをターゲットにしているのならば問題は無いかも知れません。

しかしよりニッチで具体的なクエリを狙ったサイトだと、ユーザーにリーチするのがより困難になる場合があります。

ユーザーの検索能力に依存する

パーソナライズされないという事は、検索キーワードの入力内容次第、つまりはユーザーの「検索能力」に依存する事になります。

ただ正直なところ、ユーザーは語彙力が高い人ばかりではないのです。

よく、探し物をしたいけど「どう単語を入れたらいいかわからない」ってことありますよね。

ニッチな検索ワードであればそれだけ「検索語句の入れ方」に左右されるので、目的のサイトに到達しにくくなると言えます。

WEBページ側がユーザーのあいまい検索に対応する必要がある

パーソナライズ化がされないとなると、検索での競争力を維持するためにはページの最適化(SEO)がさらに重要になってくるのです。

単語ではなく会話式の検索候補向けに最適化したり、書き間違いに対応する必要性も出てきます。

ニッチな記事をニッチなキーワードで最適化するのではなく、より一般的な単語に変換するなどの工夫も必要になるでしょう。

ファーストパーティデータの重要性

クッキーレスの将来に備えるためには、よりファーストパーティデータが重要になります。

管理者が自社のWebサイトデータ、アプリ、その他のサービスを通じて自身でデータを収集しなければなりません。

それにより得られるデータがファーストパーティCookieです。

※サードパーティのデータは、広告目的で外部プロバイダーによって収集されます。

独自の顧客プロファイルづくり

企業が高品質の自社データを収集するためには、自身でWEB上の顧客リストを作る必要があります。

WEBサイト内でのユーザーアクションを正確に取得し、ユーザーのプロファイルを構築します。

プロファイル分析から理想的なコンテンツ作りへ

プロファイルが作成できれば、自社サイトを通じて特定の顧客に関するより関連性の高い情報が把握しやすくなりますよね。

そこからそのユーザーの求めるものが予測でき、必要とされるコンテンツを作成・最適化する事ができます。

この様にCookieが使えないのであれば、時間は掛かりますが自身で顧客とその求めるものの「像」を描いていくしかないのです。

Google Search Consoleの役割

Google Search Console(以下:GSC)を使用する事は、Cookieのない世界ではより重要になります。

GSCはGoogleAnalyticsのようにCookieに依存していません。

またユーザーの個人データを使用しないため、Cookieに関する法律の影響も受けないのです。

データ収集が無料でできる

GSCを使えば、自社サイトのクリック数、インプレッション数、平均ランキング、クリック率などの重要なデータも把握できます。

もともとSEOにはGSCのチェックが必要不可欠でしたが、より一層重要視される事になるでしょう。

今まで以上にGSCの果たす役割は大きくなると思います。

その他の分析材料を生み出す

構造化データの必要性

一部のコンテンツで上位ランキングを実現したら、次は構造化データでコンテンツを装飾します。

構造化されたデータがある事で豊富な検索結果でサイトが表示される様になり、クリック数と表示回数が増えていきます。

それにより様々なユーザーの動向をつかむ事ができるはずです。

オフライン測定をオンラインへ紐づける

クッキーのない世界では、オフライン測定も非常に重要になります。

オフラインでの購入を追跡し、それらの購入をオンライン上とつなげて、購入においてオーガニック検索がどのような役割を果たしたかを示す必要があります。

つまりコンテンツを消費したユーザーを追跡し、コンバージョンポイントでユーザーを探して、コンテンツを読んだ後にオンラインストアにアクセスしたかどうかを判断する訳です。

よくお店で商品を購入した時に「何を見て知りましたか?」のアンケートを書く事があるでしょう。

これはこういったコンバージョンポイントでのユーザー探しの一環です。

サーバー分析・その他ツールの開発・導入

サーバー側の分析は、Webエンゲージメントとパフォーマンスを測定するためのより信頼性の高い方法です。

とにかく難しい分析になりますが、より信頼性が高くより安全でもあります。

同時にユーザーは自分がどのように追跡されているかを知っておく必要があります。

消費者のプライバシーを保護しつつ、管理者がクッキーのない世界を生きていけるツールを各企業が開発していく事でしょう。

実際の動き

たとえばマイクロソフトはプライバシー管理のためのParakeetを発表しました。

Bing APIにはプライベート検索機能があり、消費者データをプライベートに保ち、広告主がデータに関して抱く多くの懸念に対処することに基づいて構築されています。

このリストには、GoogleChromeのプライバシーサンドボックスとAppleIDFAも含まれています。

引き寄せるコンテンツと引き寄せないコンテンツ

Cookieが利用できなくなる事で起きる一番の変化は、ユーザーの興味を引く魅力的なコンテンツ作りにさらに重点が置かれる事です。

マーケティングにおいてユーザーとの関係を築くためには、ユーザーの役に立つ魅力的で有益なコンテンツを発信する事が一番の方法ですよね。

その意味でコンテンツは、ユーザーに製品やサービスに興味を持ってもらうための「許可証」であるとも言えます。

コンテンツを通じて訪問したユーザーの意図を理解し、適切なユーザーを引き寄せるために必要なデータと手掛かりを得る事ができるのです。

コンテンツは常にユーザーを引き寄せる・引き寄せないの信号を発しているのです。

検索キーワードで最適化するだけでは不十分

確かにSEOにおいて「入力される検索キーワード」に焦点を合わせれば、そのクリック率やコンバージョン率が向上する可能性はあります。

これはユーザーの入力したキーワードにマッチする様、SEOでページを最適化したためですよね。

しかしその検索で引き寄せたユーザーが、本当に顧客としてマッチするかどうかはわからないのです。

求めるものと内容とがかけ離れている

たとえばブログ記事でPDF形式で「サイトを移転させるための究極ガイド」の紹介コンテンツを作成したとします。

このガイドを通して、サイト移転の依頼をしたい顧客を集めるのが管理者の狙いです。

実際にこのコンテンツを訪れた訪問者約100人が、PDFをダウンロードしたとしましょう。

しかしその後実際に問い合わせがあったのは100件中2件だけで、思うような結果につながりませんでした。

玄人向けのガイド

ではこのガイドの何が問題だったと思いますか?

実はこの記事は、「ある程度のレベルを持つサイト管理者」の目線でデータ移転作業を紹介した記事でした。

しかしSEOキーワードは「WEBサイト 移転」などで上位にランキングしており、ページは上手く最適化できているのです。

ただし表示されたコンテンツが「移転作業を請け負う内容PR」ではなく、実際にどのようにして移転作業が行われていくのかを詳しく紹介したものだった訳ですね。

つまり「求めるターゲットユーザー」が違うのです。

素人向けにコンテンツを変更する

では成約率を上げるため「専門家にサーバー移転を依頼する理由」の記事に書き換えたとしましょう。

本来のターゲットである「サイトの移転作業をしたことが無い人」に対してPRをするため、コンテンツ内容を変更しました。

・サーバー移転事例
・実際に移転をお願いしたユーザーの感想
・デモンストレーション
・ご依頼の際の注意など
・キャンペーン

これならターゲットにぴったりマッチするため、より良い結果が得られるはずです。

サイトの引っ越し業者を探している顧客にしっかりアピールできるコンテンツになった訳ですね。

コンテンツをユーザーテストに使う

検索ワードからユーザーの様相はわからない

ポイントは、この様に記事内容を変えても検索キーワードとしては同じ「WEBサイト 移転」になる点です。

検索からではそのユーザーが素人なのか玄人なのかはわからないですよね。

この時Cookieが有効であれば、そのユーザーが以下の傾向を持つことはデータからある程度わかったはずです。

・WEBサイトを引っ越しさせたい
・業者を探している
・本人自身は素人

パーソナライズ化検索が効いて、最適な素人向けページが最初からヒットする事でしょう。

ただこのCookie情報に頼れないとなると、ユーザーの事前情報は乏しくなります。

自分が素人なのか玄人なのかまで、検索キーワードに盛り込む人はあまりいませんからね。

となれば一度コンテンツを訪れてもらい、その時のアクションで測るしかありません。

つまりコンテンツ自体を「ユーザーテスト」として使うのです。

失敗は大きなシグナルになる

例を見てわかる通り、コンテンツを測定・分析すればきちんと信号を出します。

今回は100件中2件しかお問い合わせが無かったという測定結果が立派なシグナルとなっていますので、コンテンツ内容を変える事ができたのです。

玄人向けの記事を素人向けの記事に変更して、たくさんの訪問者の中から「業者を探しているユーザー」を引き寄せるコンテンツを目指します。

コンテンツは修正ありき

このようにコンテンツは測定と変更を重ねて、ユーザーに寄せていくスタイルが主流になるでしょう。

その意味ではコンテンツは出した後も必ずブラッシュアップはしていく必要がある事を意味しています。

検索サイト側もデータが蓄積される

このテストと分析・改変の一連の軌跡は、Googleなどの検索サイト側も把握しています。

変化を遂げてユーザーを引き寄せるコンテンツになった事をGoogleはちゃんと知っているのです。

同時にこの変化が、そのページのSEO順位を押し上げる要因につながります。

最初のページの滞在時間とボタンアクションを計測

その後コンテンツ内容が変更される

ユーザーの滞在時間が延び、ボタンアクション数が増える

これを訪問ユーザーがマッチした証と認定

順位向上

Googleとしてもユーザーが求めるページをいち早く結果に出す事が自分の責務と心得ていますから、順位を上げるのは当然です。

ただ、求めるユーザーを引き寄せるコンテンツになっているかどうかを正確に知るにはどうしても時間が掛かりますよね。

管理者にコンテンツ内でテストと分析を繰り返してもらわなければならないからです。

その意味で今後、コンテンツSEOは今まで以上に時間が掛かると思われます。

まとめ

検索エンジンがサードパーティのCookieから離れる動きが加速しています。

そうなるとWEB全体で顧客を追跡して、顧客のニーズや行動、および意図の全体像を把握することが難しくなりますよね。

しかしコンテンツは、新しくCookieの代わりとなり得ると思います。

管理者はコンテンツとその測定を繰り返し、断片化されたユーザーのアクションをつなぎ合わせ、ユーザーとコンテンツのエクスペリエンスを向上させることができます。

マーケティングの終焉ではない

確かにこれまでのCookieおよびその利用方法に欠陥はありましたが、これでオンラインマーケティング業界の終わりではありません。

あくまで怪しい動きをしているマーケティング業界が終焉するだけです。

コンテンツを通してじっくりユーザーを分析できる管理者サイトであれば、今後も繁栄していく事でしょう。

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