
パンダアップデートとは?(最も復旧が困難とされたGoogleのペナルティ)
パンダアップデートとはそれまでの低品質なコンテンツのWEBサイトの順位を下落させるGoogleのアルゴリズム変更です。
コンテンツファームや重複コンテンツなど低品質とされる部分があると、WEBサイト全体の順位が落とされトラフィック減少の目に遭います。
ユーザーにとって価値ある高品質なコンテンツ作りを目指してペナルティを受けないSEOを心がけましょう。
パンダアップデートとは?
このアップデートは別名「Google Panda」とも呼ばれています。
Googleの検索アルゴリズムの更新を示す名称の一つですね。
この更新は、Googleのオーガニック検索エンジンの結果における低品質なWEBサイトの存在を減らすために実施されました。
30回にわたる変革
Googleによると最初のアップデートリリース日は2011年2月23日で、英語の検索結果の最大12%に影響を与える大規模な順位変動を起こしています。
そしてそこから2015年までの間、実に約30回ものデータ更新をおこなっています。
現在パンダアップデートはコアアルゴリズムに取り込まれ、リアルタイムに反映されるようになっています。
パンダアップデートの対象
パンダアップデートの更新では、それまでのGoogle検索におけるの「問題のある現象」に焦点が当てられました。
いわゆる「品質の低いコンテンツ」と呼ばれるWEBサイトが、検索上位(SEO上位)を横行していたのです。
パンダアップデートの対象となった低品質サイトのコンテンツ傾向をご紹介します。
内容が薄いコンテンツ
関連性のある又は実質的なテキストやリソースがほとんどないページ。
つまり既に一定の認識と情報公開がしてある内容をそのまま表現しているだけのコンテンツがそれにあたります。
既に常識になっていてユーザーに何ら価値を与えません。
重複するコンテンツ
インターネット上で複製・コピーされたコンテンツ
バリエーションがなく同じテキストばかりを並べる複数のページは重複するコンテンツと判断される可能性があります。
例えばエアコン清掃会社がサービスを提供する都市ごとに1ページずつ区分けされたWEBサイトを作成しているとします。
その際、全てのページでコンテンツがほぼ同じで、都市名のみが入れ替えられている場合などがそれにあたります。
重複コンテンツ例
1つのページで「東京のエアコンを掃除します」
次は「京都のエアコンを掃除します」
次は「大阪のエアコンを掃除します」
信頼性・権限が欠如したコンテンツ
検証がされていない・信頼性のあると見なされないソースによって作成されたコンテンツを指します。
グーグルの担当者は以下の様に述べていました。 「パンダアップデートを回避するためには、 クレジットカードなどの個人情報を集約したデータを掲載したページを新設すると良いです。 高品質なページを作ると順位復旧の効果が高いです。」
上記のような事が書いてあったら、一概には信じられないし証明ができませんよね。
コンテンツファーミング
コンテンツファーミングは、他のWEBサイトから集約されて構成された低品質のページである事が多いです。
或いは低賃金で多数のライターを雇い、様々な検索エンジンクエリをカバーする短いコンテンツ本文を作成するケースもあります。
とあるジャンルの中(用語集など)で考えられる全てのワードの検索エンジンのランキングを取得しようとするのが目的です。
低品質のユーザー生成コンテンツ(UGC)
低価値のユーザー生成コンテンツとは、誤字や脱字が多かったり内容も薄く、既に信頼性に乏しいと判断されているユーザーが構築したページです。
こういった「信頼性の低い人」のブログ投稿内容をそのまま転載する事を指します。
広告コンテンツの比率が高い
コンテンツよりも有料広告の方が多いようなページ構成のサイトです。
アフィリエイトリンクを取り巻く低品質のコンテンツ
有料のアフィリエイトプログラムが中心で、そのリンク周りに質の低いコンテンツが並んでいる様なサイトです。
ユーザーによってブロックされているWEBサイト
ユーザーが検索した結果直接ブロックをしたサイト、またはChromeブラウザー拡張機能を使用してブロックしているサイトです。
品質が低いサイトである事がブロック数によってある程度証明されています。
検索ワードとコンテンツが一致しないサイト
検索結果のタイトルと実際の表示内容が違うページには失望されますよね。
例えば検索タイトルには「クーポン」というキーワードが付いているのに、実際にはクーポンが表示されなかったり、クーポンの広告だけが表示されたりするサイトです。
このような「低品質コンテンツ」のWEBサイトが一時期は検索上位を席巻していたため、大きなテコ入れを実施する事になったのです。
パンダアップデートの歴史
update回数 | メジャー | 日付 | 詳細 |
---|---|---|---|
1 | Pada 1.0 | 2011年2月24日 | クエリの11.8%が影響 発表あり、米国のみ |
2 | Panda 2.0 | 2011年4月11日 | クエリの2%が影響 発表あり、英語で国際的に公開 |
3・4・5 | 2011年5月10日 2011年6月16日 2011年7月23日 |
変更なし、確認済み、発表なし | |
6 | 2011年8月12日 | 多くの英語以外の言語でのクエリの6~9% 発表あり |
|
7 | 2011年9月28日 | 変更なし、確認済み、発表なし | |
8 | Panda 3.0 | 2011年10月19日 | クエリの約2%、後で確認 |
9 | 2011年11月18日 | クエリの1%未満、発表あり | |
10 | 2012年1月18日 | 変更なし、確認あり、発表なし | |
11 | 2012年2月27日 | 変更なし、発表あり | |
12 | 2012年3月23日 | クエリの約1.6%、発表あり | |
13 | 2012年4月19日 | 変更なし、遅れて公開 | |
14 | 2012年4月27日 | 変更なし、確認あり 別の日から最初の更新 |
|
15 | 2012年6月9日 | クエリの1%、後で発表あり | |
16 | 2012年6月25日 | クエリの約1%、発表あり | |
17 | 2012年7月24日 | クエリの約1%、発表あり | |
18 | 2012年8月20日 | クエリの約1%、後で発表あり | |
19 | 2012年9月18日 | クエリの0.7%未満、発表あり | |
20 | 2012年9月27日 | 英語クエリ2.4%、遅れて発表あり | |
21 | 2012年11月5日 | 米国での英語クエリの1.1% 全世界で0.4%、確認あり、発表なし |
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22 | 2012年11月21日 | 英語クエリの0.8%が影響 確認あり、発表なし |
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23 | 2012年12月21日 | 英語クエリの1.3%が影響 確認あり、発表あり |
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24 | 2013年1月22日 | 英語クエリの1.2%が影響 確認あり、発表あり |
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25 | 2013年3月15日 | 来ると発表、確認なし | |
26 | 2013年7月18日 | 確認あり、発表あり | |
27 | Panda 4.0 | 2014年5月20日 | 英語のクエリ7.5%が影響 確認あり、発表あり |
28 | Panda 4.1 | 2014年9月25日 | クエリの3~5%が影響 確認、発表あり |
29 | Panda4.2 | 2015年7月18日 | クエリの2~3%、確認、発表あり |
アップデートの回数が多い理由
パンダアップデートはもちろん低品質なコンテンツにペナルティを与えるための大規模なアルゴリズム変更でした。
しかし中には低品質ではないWEBサイトがその「巻き添え」になった例もたくさんあったようです。
混乱を少しずつ解消するためにも段階的に「実施と解除」を繰り返す必要があったため、このように実施回数が増えた背景があります。
ペナルティはWEBサイト全体の順位降格
パンダアップデートのペナルティはわかりやすいです。
アルゴリズムの更新の既知の日付と相関してWEBサイトの検索ランキングが突然低下します。
実際に多くの著名なWEBサイトが軒並み順位を落とす事になり、WEB業界では悲鳴が上がりました。
運営者全員が震撼した「順位下落のペナルティ」
パンダアップデートのペナルティの特徴は、低品質とみなされるページ自体でなくWEBサイト全体の検索ランキングが下がる事です。
一部のコンテンツが原因で、WEBサイトの総合的なトラフィック自体が落ちてしまいます。
このWEBサイト全体に及ぶペナルティがこのアップデートの一番厄介なところです。
ペンギンとパンダのペナルティの違い
ペンギンアップデート最新の4.0においては、不正なリンク自体の価値を下げ、WEBサイト単位での順位降格ペナルティはありません。
しかしパンダアップデートのペナルティを受けるとWEBサイト自体が降格処分を受けます。ここが大きな違いです。
順位復旧が非常に困難とされる
そしてSEO業界ではこのパンダアップデートは「順位回復が困難なアップデート」として認識されています。
当時はどんなに修正をしても順位が復活しないため、落ち込む担当者が大勢出ました。
あまりに抜け出す事ができないため、当時はGoogleへの不信感が高まった歴史があります。
ペナルティを受けた原因を突き止める
どれだけ巡り巡っても、できる手立てをやるしかないという原点回帰が必要です。
パンダアップデートは主にWEBサイトやコンテンツの品質の程度に依存している訳ですから、その品質の改善をおこなうだけなのです。
順位変動を常にあるものと捉える
そもそも順位はGoogleによる人為的なものですから、順位変動は起こりうるものだという認識が必要です。
それが仮に多くのトラフィックを失う程のランキング下落であってもです。
ただ、Googleは原因の無い結果は示しませんから、冷静な分析をすれば糸口は必ず見つかります。
問題の切り分けによる分析
競合他社が台頭した可能性
例えば同じようなコンテンツを持つ他社が自社を上回っているかどうか、競合サイトが貴方のより上に移動したかどうかを確認しましょう。
もし他社サイトの方が上に来ているのであれば、ペナルティではなく単に評価が下がっただけかもしれません。
コンテンツに対するペナルティを受けたのであれば、両者とも圏外に飛ぶはずだからです。
手動ペナルティ
Google Search Consoleで報告された問題を確認する事です。
手動ペナルティを受けたのであれば必ず管理者にアナウンスがあるはずです。
順位変動の日付とアップデート公開の日付とを結ぶ
幸い、パンダアップデートもほとんどがリリース日付と共にアナウンスがされています。
ですので順位が落ちた日付から原因が特定できる可能性が多いのです。
ランキングまたはトラフィックの損失がアナウンス日付以降と一致する場合は、間違いなくそれが原因です。
全く別のGoogleアルゴリズム更新の可能性
例えばペンギンアップデートなどがそれにあたりますね。
問題の特定と修正
日付や他社等を分析して、WEBサイトに何が発生しているかを特定する事がまずは先決です。
良く知っている名前の付いたアルゴリズム更新が発生したのであれば、更新に関与しているとして引用されているドキュメントをよく読みましょう。
自分のサイト内にブラックハットな内容が見つかったのであれば、状況を改善するための修正をおこないましょう。
「やるべき」事「やらない」事
以下の項目に注意をしてもう一度自分のWEBサイトを調査してみましょう。
WEBサイトの見直し項目
・ユーザーが簡単に目的の情報を発見できる設計にしているか
・各ページ単位のトピックは明確になっているか
・コンテンツはオリジナルか?他のソースから集約されたものではないか
・広告の数と配置が原因で、コンテンツに素早くアクセスできないのではないか
・サイトを客観的に見て、ユーザーが必要とする情報に焦点を当てているか
・ページのコンテンツは信頼できるか?価値があるか?
・検索クエリに対し、他のWEBページよりも返答できているか
・サイトの一部のページは非常に高品質で魅力的だが、それ以外の品質が悪くないか
さらに「やらない事を増やす」事も重要です。
やらないようにすべき項目
・コンテンツファーミング手法をやらない
・他社ページの転載・引用を多用しない
・キーワードやクエリでユーザーを騙さない
・広告又はアフィリエイトを多くしない
・ユーザーに敬遠ブロックされない
・重複コンテンツをしない
ポイントとしては、作成したコンテンツを慎重に調査および編集し、それがオリジナルでエラーがなく、ユーザーにとって有用であるかを確認する事に尽きます。
特定コンテンツをブロック
「Robotsファイル」や「noindex」「nofollow」タグを使用して、重複するWEBサイトコンテンツ、或いは他の問題がある要素のインデックスをブロックします。
改善が難しい場合にその部分自体に蓋をする意味で、重要な手立ての一つと言えます。
robotx.txtの書き方はこちら
一番はペナルティを受けないサイトである事
高品質でオリジナルのコンテンツを一貫して公開しているWEBサイトであれば、このような一連の更新を恐れる事はほとんどありません。
しかしWEBサイトが問題のあるとされる行為に関与している場合は、どこかの時点でパンダによるペナルティを受ける可能性があります。
実用的なビジネスの観点から見ても、常に「ペナルティを受けない」SEO、つまり王道のSEOを目指すべきです。
ペナルティを受けないための大原則
・その分野で権威として認められるようになるブランドを構築しましょう。
・その優れたコンテンツを駆使して信頼できるリソースとなるWEBサイトを構築しましょう。
WEBサイトにおいて何が「良い・悪い」かは常に不変です。その事実が時代と共に変遷する事はありません。
WEBサイトのユーザーにとって有益な価値ある情報を提供する事が王道であり「良い事」です。
ところがいつの間にかユーザーを追うのではなく順位を追う様になったため、不正な手法がどんどん生まれたのですね。
あえて悪い方に対する罰則を強化して、良い方法に向いて欲しいという意図でこのペナルティは誕生しています。
まとめ
ちなみにGoogle Pandaの「Panda」は、Googleのスタッフ:Navneet Pandaにちなんで名付けられています。
パンダアップデートは、当初はコアアルゴリズムとは別に展開されていましたが、現在はコアアルゴリズムに統合されています。
パンダもペンギンも現在はコアアルゴリズムに組み込まれている訳ですから、その両方から常に定期的な監視がされている事になりますね。
常に見られている事を意識しながら王道のコンテンツ充実・ユーザー満足度の高いWEBサイト作りを心がけましょう。