フリーランスの年金対策について

フリーランスの年金対策について

フリーランスの年金対策について

フリーランスが取るべき年金対策には国民年金を含めて4つあります。

早く入ればその分有利に終身型で年金を受け取れる国民年金基金
資産運用で受取額を増やせる確定拠出年金
60歳未満でも解約できて融資も受けれる小規模企業共済

そして国民年金も付加保険制度など裏ワザがありますので賢く利用しましょう。

フリーランスの年金対策について

フリーランスになったらまずは国民年金に切り替えよう

会社員だった方がフリーランス・個人事業主になった場合、まずは国民年金に切り替え手続きをする必要がありますね。

通常は勤務先の企業が厚生年金の脱退手続きを行ってくれます。

退職を証明する書類をもって国民年金への加入手続きをおこないましょう。

フリーランスはなぜ年金対策をしなければならないのか

国民年金を払っていると、以下の3種類の年金を受けられるようになります。

・老齢基礎年金(65歳からもらえる終身年金)
・障害基礎年金(病気やケガで障害が残ったときに受け取れる年金)
・遺族基礎年金(加入者が死亡した場合、妻や子どもに支給される年金)

通常の年金以外に障害年金や遺族年金があるのは安心なのですが、注意しなければならないのは「老後に受け取る年金」ですよね。

2段階構造と1段階構造の年金の差

サラリーマンは国民年金とは別に厚生年金(公務員ならば共済年金)が上乗せされる「2段階構造」になっています。

それに対して個人事業主・フリーランスは上乗せがありませんので(1段階構造)、将来受け取れる年金額に大きな違いが出てくるのです。

具体的な平均年金額にこれだけ差が出る

具体的にいうと国民年金受給者の平均年金月額は現在約65,000円にとどまります。

一方、厚生年金保険受給者の場合は約148,000円です。

将来的にこの年金受給額はさらに減少する予測ですので、フリーランスはとても国民年金の1本柱だけでは老後の生活をしていけないのです。

国民年金にプラスして老後の資産を構築する年金制度を自分自身で積極的に利用しなければならないのです。

日本の年金制度ってどうなっているの?

加入する年金の種類は被保険者の種別ごとにが違います。

・国民年金
・厚生年金
・その他私的年金

その上で被保険者によって加入できるものとできない年金があります。また任意加入できるものもあります。

第一号被保険者

まずは20歳以上の日本国民は第一号被保険者として、国民年金に加入しなければならなりません。

フリーランスなどは「第一号被保険者」ですので、当然です。

その上で国民年金基金やiDeco:個人型確定拠出年金などの年金制度に任意で加入することができます。

第二号被保険者

会社員や公務員の人達「第二号被保険者」であり、会社を通して厚生年金を支払っています。

この第二号被保険者は国民年金にプラスして厚生年金保険を受け取れます(公務員の場合は共済年金)。

その上でさらに厚生年金基金や企業型の確定拠出年金、確定給付企業年金など企業が全員加入を定めている年金があります。

第三号被保険者

そしてもう一つが第三号被保険者であり、夫が「第二号被保険者」である専業主婦などを指します。

第三号被保険者は国民年金の保険料の支払いが免除されますし、iDeco:個人型確定拠出年金に加入できますが、国民年金基金には加入できません。

国民年金以外の3つの方策

国民年金以外の3つの方策

確かにフリーランスの方は公的年金としては国民年金にしか加入できません。

受給の年齢になって約65,000円の年金額しかもらえないとなると、到底豊かな生活は過ごせませんよね。

ここで他にご自身で構築できる年金制度を利用していく必要があります。

1:国民年金基金制度

国民年金に加えて更に上乗せできるのが「国民年金基金制度」です。

保険料は掛け金や男女別・加入年数によって変わってきます。

この制度は口数制になっており、2口目以降は5,000~10,000円ずつ掛け金を上乗せしていけるようになっており、最大で68,000円まで掛け金を増額する事ができます。

最大のメリットは1口目は終身型の保険である事です。その他の私的年金は終身型に対応していません。

2:確定拠出年金

iDecoと呼ばれ、国民年金基金と併用して加入できる年金制度で企業型と個人型とで分かれます。
フリーランスや個人事業主の場合は個人型に加入する事となります。

確定拠出年金は国民年金基金・付加年金制度とは違い、一定の掛け金を自分で投資運用していく形です。

確定拠出年金は毎月の掛け金と受給額は決まっていません、資産運用ですから資産を増やす事ができればその分年金額が増える事になります。

どこの会社にどれだけ掛け金を投資をしていくのかを自己責任で決定して、将来に備えていく制度です。

3:小規模企業共済(年金以外)

小規模企業共済は独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営している共済制度です。

法人や個人企業・フリーランサーが老後の生活資金・退職金・事業資金として利用できる様に毎月お金を積み立てていくものです。

全額を所得控除できるので節税できるうえに、通常の貯蓄よりも有利な利率で共済金を受け取る事ができます。

確定拠出年金・国民年金基金・小規模企業共済の比較

確定拠出年金・国民年金基金・小規模企業共済をそれぞれ比較してみましょう。

掛け金について

掛け金の上限は確定拠出年金・国民年金基金が68,000円、小規模企業共済が70,000円なのでほとんどそこに差はないです。

国民年金基金のメリット・デメリット

国民年金基金のメリットは終身タイプの年金に格安で入れるという事でしょう。

それに対してデメリットと言えばインフレに対応できないという部分でしょうか。

国民年金基金は加入した時の利率が一生涯続く事になり、現在は利率は1.5%になっています。

しかし今どきの金融商品で1.5%は決して悪くはない商品と言えますね。銀行に預けていても利率はほぼない訳ですから。

その意味では確定拠出年金で定額商品に積み立てするよりは、国民年金基金に加入しておいた方が利率が高いと言えますね。

確定拠出年金のメリット・デメリット

確定拠出年金は、国内外の株や債券など自分が自由に選んで資産運用ができる点が一番の特徴でしょう。

国民年金基金や小規模企業共済は利率が決まっているので積み立てた資産自体を増やしたりする事は出来ません。

もちろん資産運用ですから場合によっては元本割れする可能性もあります。

その点に注目すれば他の2種は元本割れする事はないため、確定拠出年金唯一のデメリットともいえるのではないでしょうか。

※確定拠出年金は元本割れしない定額商品もあります。運用すれば増えるかも知れないという気持ちと天秤にかける事になりますね。

小規模企業共済のメリット・デメリット

小規模企業共済は他と一番違う点は、60歳未満でも途中解約ができる点でしょう。

他の2種は預貯金とは違うので解約して途中でお金をおろす事はできませんが、小規模企業共済は解約できます。

それに小規模企業共済は、掛け金を担保にして融資を受ける事もできます。

融資という形で掛け金を一時的に引き出す事ができるのですね。

他の2種とは限度額が別枠

確定拠出年金と国民年金基金の掛け金の合計額は連動していて、合計で68,000円までとなっています。

それに対し小規模企業共済は別枠となっており、70,000円まで掛ける事が可能です。

小規模企業共済のデメリットは、給付時は通常より若干減りますし20年未満の加入期間だった場合は元本割れする事です。

自分で資産運用などはできませんし、予定利率も1%と低いことなどが挙げられるでしょう(予定利率は変動します)。

メリット・デメリットの比較

メリット デメリット 対象
国民年金基金 終身年金である 60歳まで引き出せない
資産運用は出来ない
受給年齢に近い
終身年金が欲しい人
確定拠出年金 資産運用ができる 60歳まで引き出せない
選択商品によって
元本割れする
自分で資産運用したい人
小規模企業共済 60歳未満でも
引き出せる
融資も受けれる
資産運用できない
利率が低い
上記2つ以外で
資産を構築したい人

知る事で見なおせる国民年金制度

知る事で見なおせる国民年金制度

国民年金保険料は控除の対象になる

支払った国民年金保険料は所得税や住民税などから控除できます。

住民税や所得税というのは所得金額に対して一定の税率を掛けて算出するものです。

収入から控除できる金額が多くなれば、税率を掛ける元となる所得自体が低くなるので納める税金が安くなりますね。

国民年金になったら確定申告しよう

サラリーマンの場合、厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険など様々なものが勝手に控除され、算出された税金も自動的に給与明細の総支給額から差し引かれます。

最終的な手取り金額で1カ月の生計を立てていたので、こういった控除について深く考えた事が無いかも知れません。

しかしフリーランスや個人事業主の場合はご自身で確定申告をして、年金保険料を所得から控除して住民税・所得税を節税していかないと大きな損になるのです。

所得控除を計算してみよう

平成29年の国民年金保険料は16,490円です。

1年間にこの国民年金保険料を納付したとするなら合計は197,880円になります。

それをそのまま所得から控除できれば納める税金を安くすることができ節税できます。

例:所得が500万円の場合(国民年金をおおよそ年間20万円で計算)

利率は20%で控除額が427,500で計算

・通常5,000,000円×20%-427,500円=572,500円
・保険料控除(5,000,000円-200,000円)×20%-427,500円=532,500円

この場合4万円近くの節税になります。

住民税や健康保険税にも同様に適用する事ができるので、結果的に税金をもっと安くすることができるのです。

付加年金制度

国民年金の保険料に少額を上乗せする事で、将来的に受給できる年金額を増やすことができる制度です。

これも社会保険料控除として控除する事が認められています。

付加年金制度を利用する場合は国民年金基金に加入する事はできません。

国民年金の付加年金保険料についてはこちら

前納制度

あらかじめ決まった期間の年金保険料をまとめて支払いをする事で割引が利くようになるというものです。

前納には6か月・1年・2年の3種類が用意されています。

支払い方法によって若干割引もある

さらに「口座振替」か「現金・クレジットカード払い」かによって多少割引額に差も出ます。

長い目で見ればお得ですし、クレジットカードによっては支払いをおこなった分のポイントが付く可能性もありますよね。

クレジットカード会社の規定やクレジットカードで国民年金保険料を支払った場合のポイント数を確認してみましょう。

国民年金免除制度

国民年金保険料は60歳未満の方であれば必ず支払うものです。しかしご自身の事情によっては免除される場合があります。

年金保険料の免除には大きく「法定免除」「申請免除」の2種類に分けられます。

・法廷免除:生活保護を受けている方や障害年金を受け取っている方が利用できる制度
・申請免除:収入が少なく年金保険料を納めることが難しい時に申請できる制度

全額免除か少額免除かは前年度の所得によって違います。

納付猶予制度

フリーランスである以上、時に安定した収入源が無くなってしまったり、予定していた案件がなくなってしまう突発的なケースに遭遇しますよね。

そんな時国民年金には「国民年金保険料納付猶予制度」というものがあります。支払いを待ってもらえる制度です。

納付猶予制度とは前年度の所得金額が(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円)以下である場合に適用されます。

免除とは違う

一つ上で説明した免除制度は、免除された期間年金保険料を支払っていなくても、年金は受給されます(金額は少なくなります)。

それに対しこの納付猶予制度は支払いを待ってもらっているだけですので、支払い義務が免除されている訳ではありません。

この時猶予された保険料は10年以内であればあとから納付ができます。

しかしそれを過ぎてしまった場合は単なる未納という扱いになりますので、将来受け取れる受給額がその分減る事になります。

忘れてはならない事:家族の年金について

ご結婚をされている方にはもう一つ考えなければいけない重要な事があります。

会社勤めをされていれば、給与から健康保険や年金が自動で差し引かれていた訳ですが、その中には「家族の年金」も含まれていました。

正確には厚生年金側が扶養となっている人の分まで支払ってくれていたので、扶養している家族も年金を貰えるという仕組みだったのです。

国民年金の場合はこの第三号被保険者(働く夫の妻・専業主婦)に対しての適用はないため、扶養家族も国民年金の支払いを行う必要があるのです。

フリーランスになると家族が国民年金を払わなければならない

この時家族の分まで自分が年金を支払うどうかについては、正直なところご家庭の事情と話し合いによりますよね。

であれば「フリーランスより会社員でいる方が楽だ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

月給が20~30万円だった場合は、月2~3万円ほどが厚生年金額として支給額から差し引かれていたと思います。

もし現在配偶者が専業主婦である奥様お一人だけなのであれば、月々16,490円を2人分支払うことになり、毎月の出費としては確かに痛いところではあります。

何のためにフリーランスになったのかを肝に銘じよう

しかし、1万円弱の負担増を理由にフリーランスとして新たな人生を諦めてしまうのはナンセンスです。

フリーランスを選ぶからには今以上に何らかの収入的メリットがあると算段したはずですよね。

ですのでここはしっかり経営の意識を持って踏み出していくべきだと思います。

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