メールがIMAP設定だと知らずにサーバー引っ越しした場合のメール保存法
サイトの引っ越し後、全てPOP設定だと思っていたメールが一部IMAP設定だったという事がよくあります。
そんな時はhostsファイルに追記をして移転前サーバーに環境を戻しましょう。
その上でIMAPメールを実物メールとしてデータファイルにバックアップしていきます。
サーバー移転後にメールがIMAPだった事がわかった場合
以下の記事でIMAPメールとPOPメールの違いや、IMAP設定からPOP設定へと変更する方法をご紹介しました。
確認ミスは起こりうる
例えばあなたが会社のWEBサーバー引っ越し業務の責任者だったとしましょう。
各社員のメールアカウントの状態を全て把握するのは、その数が多ければ多いほどなかなか大変です。
全てPOP設定だったとクライアント側で事前確認がされていたにもかかわらず、いざ引っ越ししてみると1アカウントだけIMAP設定だったという事が過去にありました。
本記事では、サーバーを引っ越しした事でIMAPメールが全て消えてしまった場合の応急措置法をご紹介します。
解決に向けての方向性
これは今まで本ブログでも紹介してきた王道テクニックの複合技となります。
・IMAP設定だったPCのみhostsファイルを変更し元のサーバーへ向ける
・上記環境でIMAPメール全てを実データとしてダウンロードする
・hostsファイルを元に戻して、新しいメール設定情報を入れる
1つ目のhostsファイルの編集については上の記事リンクをご覧下さい。
hostsファイルで自分だけ引っ越し前に戻る
まずは一旦メールソフトを閉じておきましょう。
hostsファイルに前のサーバーの情報を追記するために、ファイルを開きます。
hostsファイルの場所
hostsファイルは、C:\Windows\System32\drivers\etc内にあります。
Windowキー+Rを押すと「ファイル名を指定して実行」の窓が出ますので、ボックス内に「drivers」と入れてOKを押します。
すると自動でC:\Windows\System32\driversの中が開きますので、etcをダブルクリックして開きましょう。
このetcフォルダの中にhostsファイルがあります。
hostsファイルに追記する
etcの中は上書き禁止となっているので、このままではhostsファイルの編集ができません。
ですのでhostsファイルをデスクトップにドラッグ&ドロップして移動させます。
権限を確認されたらOKを押しましょう
「プログラムから開く」を選択し「メモ帳ソフト」を選んで開きます。
最下段に前のWEBサーバーのIPアドレスとドメイン(www.付とwww.なしで2段)を入れます。
000.000.000.000 www.lpeg.info
000.000.000.000 lpeg.info
上書きをしたら先ほどのetcの中に戻します。権限確認はOKしましょう。
hostsファイルはetcの中に入れていないと効果が出ません。
これでhostsファイルの編集は終了です。
移転前サーバーを向いているか確認
引っ越しの際にWEBサイトをリニューアルした場合は、移転前のサイトが映っている事を確認しましょう。
WEBサイトは同じである場合、メールを開いてみるとわかると思います。
メールの送受信先も元サーバーに戻る
hostsファイルを変更すれば、WEBサーバーだけでなくメールサーバーも元の状態になります。
※WEBサーバーとメールサーバーが同じである事が条件です。
あらためてメールソフトを開くと、以前と同じようにサーバー上の同期がされIMAPメールが表示されているはずです。
IMAPメールが消えた訳
IMAPによる受信メールはメールソフトに実物を溜めておらず、サーバー内のものをただ「のぞき込んでいた」だけなのですね。
メールが消えたのは、それまでのぞき込んでいたサーバー先が引っ越しにで変わったためです。
ですのでhostsファイルのバーチャル設定でサーバー先を戻せば、以前の様にデータをのぞき込めるようになります。
新規にIMAPアカウントを入れ直す
もし今までの様にメールが見えない場合は、一旦アカウント自体を削除して、あらためてIMAP設定でアカウント登録をしてみましょう。
この時の設定(サーバー名やパスワードなど)はもちろん、引っ越し前の設定情報になりますので注意ください。
hostsファイルは編集したままでおこないます。
登録時の初期状態
アカウントを登録し直した場合、各トレイの右に「このコンピュータのみ」などの名称が付く場合があります。
そして「送信済みトレイ」なども出ていない場合があります。
こんな時は以下の操作を試してみましょう。
※Outlookでの操作となりますのでご了承下さい。
IMAPアカウントの各トレイ表示を修正する
上部のファイルメニューから「アカウント設定」→「アカウント設定」を押します。
対象のIMAPメールを選択して、上にある「変更」を押します。
IMAPアカウントの設定という小窓が出てきます。
その中で「ルートフォルダの設定」欄にあるマスが空欄になっているはずなので、ここに「Inbox」と入力しましょう。
入力したら「次へ」を押して、次の画面で完了させます。
これで送信済みトレイなども表示され、先ほどの「このコンピュータのみ」などの表示は出ないはずです。
IMAPメールを実物データとして保存していく
以前の様にメールを見る事ができたら、別記事で紹介した「IMAPメールをダウンロードする方法」を元にデータファイルにコピペしていきます。
上記の記事をもとにIMAPメールのバックアップを実物メールとして取る訳です。
数が多いと思いますので、漏れが無いようじっくり時間を掛けておこないましょう。
データファイル内のバックアップメールが見えない場合
説明の通りに操作をする中で、注意して欲しい点があります。
データファイル上の任意フォルダ内に入れたはずのIMAPのバックアップメールが、全く見えない場合があります。
ファイルをコピーしたにもかかわらず入っていなかったら焦りますよね。
安心して下さい。メールはきちんとデータファイル内に入っているのですが、ただ見えないだけなのです。
この場合は以下の操作をしましょう。
IMAPメールが見える様にする
まずデータファイル内にある今回作ったIMAPメール専用のフォルダを選択した状態にします。
今はメールは空っぽの状態ですね。
その上で上部メニュー群から「表示」→「ビューの変更」と押します。
展開メニューの中に「IMAP メッセージ」と書いてある(見切れているかも知れません)ところを押してみましょう。
するとコピーしたIMAPメールが見えるようになるはずです。
バックアップを取ったらhostsファイルを元に戻す
これで過去のIMAPメールの履歴については、実物メールとしてデータファイルの中にバックアップできました。
今までと体裁は違いますが、IMAPの履歴メールを確保できたことになります。
hostsファイルの追記部分を消す
先ほどhostsファイルに記述した内容を消して、あらためて新しいサーバーへ切り替えます。
当然先ほどまで見えていたIMAPメール欄のメールは消えてしまいます。
しかしコピーしてきたデータファイル内のバックアップメールが別物として残っていますので安心しましょう。
メールを新サーバー向けの設定に変更
新サーバー切り替え後も引き続きIMAPを使う事ができますので、新サーバー先の設定情報に変更しましょう。
当然の事ながら新しく受信が限り、受信トレイはまっさらの状態で、一から溜め直しとなります。
過去のメール履歴はデータファイルから参照する事になる訳です。
新サーバーではPOP設定で始めてもOK
これを機にPOP設定にするのであれば、それでも良いと思います。
これまでのIMAPアカウントを削除して、POPとして入れ直しすれば良いのです。
この場合も送受信メールの履歴は共にありません。
いずれにしても、引っ越し前のメール履歴はデータファイルにある事を踏まえておきましょう。