WEBサイト引越しの流れ(HTMLサイトの場合)代行もOK
WEBサイト引越しの流れ(HTMLサイトの場合)
今回はWEBサイトを別のサーバーへ引っ越しさせる際の大まかな流れをご紹介します。
ご自身でサイトの引越しをする際はもちろん、あなたがクライアントに対してWEBサイト引越しの提案をしたり依頼を受けるなどした場合は是非参考にされて下さい。
本記事はHTMLファイルで構成されたプレーンなホームページの移設を想定した手順です。Wordpress版は下記をご覧ください。
データのバックアップ(ダウンロード)
基本的には全て自分のパソコン内にデータはあるはずなのですが、サーバーにアップされているデータが最新データですので、それをバックアップのためダウンロードしておきましょう。
移転先サーバーを新規契約
まずは新しくサーバーのプランを契約してサーバーを新しくレンタルします。別のレンタルサーバー会社のプランだったり、同じサーバー会社の別プランへ移る事もあるかと思います。
今のサーバーの契約はそのまま、別途新しくサーバーを契約して下さい。
※引越しが完了するまで、今までのサーバー契約と今回の新しいサーバー契約とを2重でレンタルした状態を維持します。
ドメイン設定・サイトデータUP
ドメインの登録設定
レンタルした契約の管理画面にログインをして、移転をさせるドメインのサイトがそのサーバーの中で利用できる様にドメイン登録をします。独自ドメイン登録と一般的に呼ばれています。
ドメインを登録すると通常は自動でWEBデータをUPする専用の区画が用意されますが、自動で用意されない場合はこちらでFFFTP等で用意をして、そこを公開先にします。
ホームページデータのアップロード
新しいサーバーをレンタルしたら、その中にFFFTP等のソフトを使ってホームページの全てのデータ(HTML・CSS・画像データ・JS・各種プログラム一式)をアップロードします。
CGI等のプログラム系はパーミッションなどを設定しておきましょう。
WEBサイトの表示・動作確認
新しいサーバーをレンタルした時点で、ほとんどの場合サーバー側が無償で提供しているアドレス(基本ドメイン)が発行されています。
つまり基本ドメインを利用すれば、本来の独自ドメインでは無くてもサイトの中身が表示されるのですね。
テストURLで事前確認ができる
その基本ドメインでホームページの状態が事前確認できるようになっていますので、問題がないか確認をする必要があります。
移転元と同じように映っているかどうか、お問い合わせフォームなどは機能しているかどうかなど、ファイルやプログラムの各種表および動作確認チェックをします。
問題があれば修正対応をしていきましょう。
メールアカウントの設定(ドメインメールを利用している場合)
メールソフト画面
ドメインメールとはそのドメイン名が「@」の後ろに付くメールアドレスの事です。
例えば本サイト「lpeg.info」であれば、info@lpeg.info がドメインメールとなります。infoなど「@」の前部分は自由です。
サーバーが変わると送受信サーバーも必ず変わる
ホームページの閲覧以外にドメインメールの受信・送信もする場合は、同じサーバー内のメールサーバーを利用する事がほとんどです。
そのためドメインメールは、サーバーが変わると送受信するメールサーバーも変わります。
移転先でメールアカウントを解説
ですので、今利用している全てのドメインメールのアカウントを新しいサーバーの管理画面で登録・開設します。パスワードは今までのものと同じもので設定をして良いと思います。
サーバーによってはパスワードの数や使う文字の種類が決まっているところがありますので、同じパスワードが使えない場合があります。
メールソフトへ追加で設定をする
繰り返しとなりますが、今までメールソフトなどで送受信していたメールは引越しによってそのアドレス自体が変わる事はありませんが、受信サーバー名や送信サーバー名・パスワードなどが変わります。
サーバーが変わると送受信できなくなる
この設定変更をしないとサーバーが切り替わった時にメールの送受信ができなくなります。
そのため各パソコンごとに使っているメールソフトやタブレット・スマホ等でメールアドレスの設定を変更しなければなりません。
しかしサーバー移転の際は、今使っているメールアカウントとは別に「追加」という形で同じメールを登録する事になります。
設定を変更するのではなく、追加で登録する
もともとのメールアドレスの設定がが入っている訳ですから、その設定情報を新しいものに変更すればよい様に思われますが、実はそうではありません。
先に設定を新しい方に変更してしまうと、サーバーが「新しい方に切り替わった後」でないとメールの送受信ができないので、切り替えるまでの間、メールが届かない・送れないという事態になります。
どちらに来ても良いように
引越しによってサーバーが切り替わる時、メールが今までの受信・送信サーバーを通るのか新しいサーバーの方を通るのか、そのタイミングをコントロールをする事ができません。
なのでどちらを通っても良い準備をしておく必要があるのですね。
新旧両方の設定をしておけば、古い方と新しい方のどちらにメールが来ても取りこぼしが無いようにできます。
従来使っているメールアカウントの設定を変更するのではなく、追加という形で登録してもらうのは上記の理由からです。
ドメインのネームサーバー情報を変更する
サイトの事前確認が終了してメールも設定準備が完了したら、今まで「ドメインで表示させるのはAサーバー」というルールをBサーバーへ変更する命令を掛けます。
これが、前に説明をしたDNSの変更(ネームサーバー情報の変更)と呼ばれるものです。
ネームサーバー情報の変更
新しくレンタルをしたサーバーにはネームサーバー情報というのが必ずあります。
契約した際に送られてくる設定情報メールに記載があるか、そのレンタルサーバー会社のホームページに掲載されていますのでそれを調べましょう。
ドメイン管理画面から変更する
ドメインを契約している会社(「ムームードメイン」とか「お名前.com」など)の管理画面に入ると、そのドメインのネームサーバー情報を変更するページがありますので、その情報を新しい情報に切り替えます。
ネームサーバー情報は5~6行程度入力枠が用意されており、そのうち2行だけ使ったり5行使ったりします。移転先のネームサーバー情報に従いましょう。元々2行書いてある所を上から書き換えて5行にしたりする場合もあります。
例:例えばXserverの場合ネームサーバーは5行使います。
ns1.xerver.jp
ns2.xerver.jp
ns3.xerver.jp
ns4.xerver.jp
ns5.xerver.jp
切替にはタイムラグがある
DNSサーバーが今回の切替を全世界で反映させるためには最短1日・最大3日程度掛かります(プロパゲ―ション)。その間は場所によって、新しいサーバーの方が見えたり古いサーバーがまだ見えていたりと不安定です。
あなた自身の環境では古いサーバーのままなのに、クライアントのPCでは新しいサーバーのデータが見えていたりというケースがあります。
メールの送受信状況も含めてしばらく様子を見る必要があります。
切替終了後に移転元サーバーを解約
完全に新しいサーバーに切り替えされて、メールも新しい設定で受信できる様になったら、移転元のサーバーの契約は解除してもらって大丈夫です。
逆に言えばそれまでの間、新しいサーバーと古いサーバーとのレンタルを続けておく必要がありますね。
これでWEBサイトの引越しは終了となります。
引っ越し後の注意
メール設定の後処理
この時点でメールソフトに設定したメールアカウントは新旧で重複したままになっています。
サーバーが切り替わってしまえば新しいアカウントの方で送受信ができているかと思います(古い方では送受信されません)。
ただし、今までの送受信メールの履歴は当然古いアカウントの方に溜まっているはずですよね。
古い方を新しい情報に書き換えて統合する
ですのでここで初めて、メール履歴のある今までのアカウントの設定情報を新しいサーバーの設定(新しいサーバーの送信・受信サーバー名やパスワード)に書き変えてあげるのです。
そうすれば履歴の残っているアカウントの方で引き続き送受信ができるようになります。
前述で追加した新しいアカウントはサーバー切替時のメールの取りこぼしを防ぐためだけに用意したものです。
今まで使っていたアカウントで送受信できるようになりさえすれば、追加したアカウントの方は削除して構いません。
アカウント統合の際の注意
ただし追加をした新しいアカウントの方で早速メールの送信をしていた場合は、その送信済みメール履歴がアカウント削除の際に消えてしまいます。
その送信済みメールが必要な場合は別途メモかテキスト等で残しておいた方が良いかも知れません。
※相手側に送信したメール履歴が残っているので、それほど問題は無いかも知れませんが。
複数端末でメールを利用している場合
場合によってはメールソフト以外にスマホやタブレットでも同じメールを送受信するようにしているクライアントもいるでしょう。その時のメインとなる端末はクライアント毎に違います。
その場合、引越し前の新旧のメールアカウント設定はメインとなる端末でのみおこないましょう。
それ以外のサブとなる端末一式は切替が完了するまで放っておき、サーバーが切り替わった後に新しい設定に書換変更すれば、それぞれの端末で新旧両方設定せずに済みますよね。
契約プランの変更をしたい場合
ちなみに今利用しているサーバーのプランをもっと安いプランや高機能のプランへ変更したいという場合もある事でしょう。
そういった事をよくクライアントへ提案する場合もあります。
その場合、現在利用しているサーバーはそのままで契約プランだけを変更するという事はできない事が多いです。
プラン変更時も引越しが必要
例えばマンションの契約と同じで、借りている「105号室」の部屋の坪数が突然、10坪から20坪に広がったりしないのと一緒です。
20坪の部屋は別に用意されているはずですから、希望であればそこに引越しをしなければなりません。
同じようにドメイン名とそのサーバーの区画は常に一対で紐づいているので、後からその紐付けのみを変更する事は難しくなっています。
詳細および例外ケース
同じ会社であっても別プランに変更するという事は、その別の区画へデータを移して引っ越し作業をおこなわなければならない場合が多いのです。
しかしもちろん例外ケースもあります。詳細は下記ページにまとめています。