劇場版「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の感想

劇場版「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の感想

劇場版「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の感想

劇場版「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を鑑賞してきました。

映像・音響・モビルスーツ・キャラクターどの要素もレベルが高く作品の中に入り込めます。

ぜひ劇場でその臨場感と没入感を味わってほしいと思います。

劇場版「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」が公開

先日、劇場版「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を観てきました。

幼少の頃よりガンダムで育った世代ですので、新作映画ともなれば見逃せない訳です。

今回はその感想記事になりますが、多少ネタバレしますのでそのあたりはご注意くださいませ。

Blu-rayも劇場で同時発売

実は本映画はコロナ過の影響もあり、公開と当時に劇場でBlu-rayセットも同時販売されています(数量限定)。

何度も映画館に足を運べない人のための配慮ですね。

ですので細部までじっくり鑑賞したい人は1度劇場に赴き、鑑賞後にBlu-rayを買えばOKになっています。

本作品は劇場で観て欲しい映画

ただ今回の映画「閃光のハサウェイ」は、今までのガンダム作品のレベルを大きく超える映像品質・音響品質で作られています。

その臨場感・没入感を最大限に体験するため、できれば何度か劇場で鑑賞される事をお勧めします。

そこで本記事では、映画館でこの映画を観て頂くためのポイントや特徴を簡潔にご紹介します。

描写・表現の美しさとこだわり

まずは何と言っても映像描写のクオリティの高さと美しさに驚かされる事です。

本作品は、とにかく背景美術や風景描写にこだわりとリアリティがあります。

街の風景や森・海などの自然の描写はすごく鮮やかで細かく、あたかも写真背景が差し込まれているかの様です。

主人公達と一緒に自分がその現地にいるかのようにさえ感じるクオリティです。

高級ホテルを表現した映像美

主人公たちが宿泊するホテルの描写もゴージャスで、リッチな空間が美しく詳細に描かれています。

「アニメ中のホテル描写」ではなく、現実世界さながらのホテルを表現する意思が伝わってくるのです。

観ている側も一緒に滞在している様で、上流階級 and ブルジョワな気分を味わえるのです。

上記はほんの一部の紹介です。映画館であれば全編を通してこの洗練されたクオリティを楽しめます。

声優陣により力強く牽引されたキャラクター

次にポイントになるのが、登場キャラクターに感情移入できる点です。

ガンダム映画ですから戦闘要素はもちろんですが、描かれる人間模様も本作では重要です。

ギギ・アンダルシア

ギギ・アンダルシア

このキャラクターは「魔性の女」の位置づけですが、単に危ない色気のある女性ではありません。

時に子供っぽいところや放っておけないところも併せ持つ不思議な女性なのです。

声優の「上田 麗奈」さんがこのキャラを演じているのですが、このギギを見事に表現されていました。

ハサウェイと一緒に私自身も、劇中のギギの言動や行動に対してドキッとしたりイラっとしたりする程です。

原作のイメージをそのまま投影

元々30年前に小説を読んだ時から、私はギギの事を「苦手なタイプの女だ」と思っていました。

※苦手ってのは実は惹かれている証拠なのだと思いますが。

それがお陰様で30年越しに、やっぱりギギは苦手なタイプだと再確認できました。

これは一重に上田さんの演技力のたまものです。素晴らしい声優さんだと思います。

ハサウェイ・ノア

ハサウェイ・ノア

そして物語の主人公、ハサウェイ・ノアです。

この主人公はテロリストで一応悪役なのですが、本編を通してブレにブレまくる役どころです。

前作からのトラウマを抱える主人公

ハサウェイは、劇場版「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に登場する、初恋相手「クェス」の事を引きずっています。

小説版と劇場版の違いはありますが、結果「クェスを死なせてしまった」過去がある訳です。

そして旅客船で偶然出会ったギギを、クェスと重ねているのですね。

危うくはかない心理状態を小野さんが表現

ハサウェイは反地球連邦組織「マフティー」のリーダーです。

なのでゆるぎない意志の元、常に冷静で一本筋の通った人物でなければならないのですが、これが揺れる揺れる。

その「揺らぎ」を声優「小野 賢章」さんが見事に演じていると思います。

ホントに大丈夫かハサウェイ

確固たる意志をもって奮起するかと思えば、あり得ないミスをしたり突如ガクッと落ち込んだりと、常に揺蕩うハサウェイ。

「やっちゃいなよ~」と囁かれて、実際やっちゃうハサウェイとやっちゃえないハサウェイが交互に表れる。

それこそ、ハサウェイ大丈夫?と心配する程です。

先ほどのギギと同様、見ていて「何やってんの!」と思わずブライト・ノア風に言いたくなります。

25歳の若さを軸としつつも「闇」と「不安定さ」を常に抱える姿を、小野さんらしく表現されていると感じました。

モビルスーツがヌルヌル!圧倒的な臨場感

機動戦士ガンダムの見どころと言えば、やはりモビルスーツ(以下:MS)による戦闘シーンでしょう。

MSの動きは圧巻の一言でしたね。CGで作られたMSはあんなにヌルヌル動くのかと。

そしてペーネロペーはもう「怪獣」でした。姿だけでなく飛行音も怪獣です(キュルキュルキュル)。

滑らかなだけでなく生物の様に空中を移動するので、ペーネロペーが全くモビルスーツに見えません。何?あれ。

自分が操縦席にいる様な感覚に

動きもすごかったのですが、今回一番驚いたのはパイロット視点で見る操縦席内の映像です。

今回はコックピット内のグラフィック描写がすごく丁寧に、そして緻密に作られていました。

実際に操縦者視点でどのように外の映像を見ているか、パネルやセンサーの稼働がよくわかる様になっていましたね。

まさに自分がコックピットに乗っているかのようでした。

センサーが敵を感知した時の「音」

今回は特にコックピット内で鳴り響く「音」が特徴的でした。

敵が接近するとセンサー音が鳴るんですが、この警告音がものすごくリアル(嫌な意味で)なのです。

センサー音が鳴るたびに、観ている側もビクッとするのです。

思わず「どっち?どっちから?」と焦って、方向を確認しようとする自分がそこにいました。

聞いたことが無いはずなのに、何となく不安をあおられる音です。

おそらく劇場内で最も効果的に響く様、工夫がされているに違いありません。

市街地でMS戦闘が行われたら

今回MS同士の最初の戦闘は市街地で行われます。

ここでポイントになるのは「MSが本当に市街地で戦闘をしたらどのような事が起きるのか」を徹底的に追及している点です。

市街地で戦闘行為をする事=一般市民と町を巻き込んで被害が出る事を指しています。

人だけでなく建物や造形物が戦争兵器により破壊されていきます。この一つ一つを細かく映し出していました。

身の危険を感じるほどの演出

「戦争をする、戦争に巻き込まれるとはどういうことか」市街地戦はこれがテーマだったと思っています。

あまりの臨場感に、私自身も人に紛れて逃げまどっている雰囲気になった位です。

落雷などで身の危険を感じた時ってよく頭上を気にしますよね。まさにあれを感じます。

第五世代MSの戦闘シーン

最後は満を持して、地球に降下したクスィーガンダムと怪獣ペーネロペー、同じガンダムタイプのタイマン勝負が繰り広げられます。

両者はどちらもミノフスキーフライトシステムを搭載した「第五世代」と言われる最新鋭MS(姉妹機)です。

夜の闇の中、緊迫したミサイルの打ち合い・空中戦が展開されます。

ついにハサウェイがガンダムパイロットに

特にクスィーガンダムの登場シーンは圧巻です。涙が出そうになりました。

ハサウェイがガンダムに乗りこんだ、乗ってしまったんだ、という「一線を越えた」感が強くありますね。

ワクワクもするのですが、同時にもう後戻りができない、ちょっと悲しい気持ちになりました。

両者の勝敗はぜひ劇場で

夜間戦闘なので見にくくはあるのですが、それは設定上仕方ないので目を凝らしてもう一度確認しましょう(劇場で)。

正直初見では、どっちがどっちかわかりません。

次回作へ、楽しみでもあり切なくもある

本作は3部作の1作目

1作目を観てものすごくおもしろかったという印象と同時に、少し切ない気持ちになりました。

閃光のハサウェイは原作小説と同様に3部作を予定しており、このあと2部・3部と作られていく事になっています。

私は原作小説の結末を知っているので、それが込み上げてくる切なさにつながっているのだと思います。

次回作(2部)が非常に楽しみですが、それだけ物語の結末が近づく訳です。

テロリストハサウェイに情がわく

今回の映画を観る前まではそんなに思わなかったのに、観た後は正直「小説のラストを迎えて欲しくない」という感情が強くなりましたね。

結局やっている事はテロリストですので、相応の報いからは逃れられない事はわかっていますが、それでもです。

それだけ小野さんの紡いだ「揺らぐハサウェイ、不安定な主人公」に改めて愛着が沸いたという事でしょう。

「閃光のハサウェイ」だからこそ意味がある

私は心を決めました。ハサウェイの様にブレてはなりません。

原作通りのラストがあってこそ「閃光のハサウェイ」ですよね。

でなければおそらく映画化自体されていない訳で、その意味でもラストは変わらないはずです。

閃光の様にきらめく姿を

ハサウェイがアムロとシャアの意思を受け継いで閃光の様にきらめく事が、本作品の「本文」でしょう。

これから何年掛かるかわかりませんが、最後の最後までハサウェイを見届けるのが責務だと思っています。

少なくとも私は最後まで彼に寄り添うつもりです(涙)。

映画館へ足を運んで頂ければ幸いです

長くなりましたが総じて言えるのは、観客が第三者としてではなく、主人公達と「同じ立ち位置」で物語に没入できる映画になっている点でしょう。

それだけこの映画は超絶クオリティの映像・音響で終始構成されています。

多少ガンダムを知っていないとわかりにくいかも知れませんが、是非劇場でご覧になって頂ければと思います。

この記事をシェアする

一押し人気コーナー紹介

その他フリージャンル記事