
アーカイヴ(2020年映画)が面白かったので紹介(ネタバレ無し)
2020年制作のイギリス映画「アーカイヴ(archive)」を紹介します。
200時間限定で亡くなった人の思念と話す事ができるシステム「アーカイヴ」。
最愛の妻を亡くした主人公はアーカイヴ内の妻のデータを人工知能に移そうとします。
2020年映画:「アーカイヴ(archive)」
映画:アーカイヴ(Archive)がAmazon Prime Videoで無料配信されていたので見てみました。
ラストを最後まで気付かせない作りが久しぶりに素晴らしいと思いました。
久しぶりにとても面白かったので、ネタバレしない範囲でそのあらすじを紹介したいと思います。
亡くなった人の思念と交流できる「アーカイヴ」
この物語は、テクノロジーにより人の意識・思念をサーバー内に留め置く事ができる近未来が舞台になっています。
これがアーカイヴ(Archive)と呼ばれるシステムです。
期間は200時間だけ
そのサーバーを通して200時間、いつでもその思念と会話をする事ができる訳です。
どの時点で人の意識をサーバーにバックアップするのかについては説明はなかったと思います。
その善し悪しはともかく、死んだ人との会話ができるなんてすごい事ですよね。
ただし200時間限定です。少なくとも主人公にとってはとても短い時間でしょう。
最愛の妻を失くした主人公
物語は主人公「ジョージ」が、ロボットを完成させようとするところから始まります。
場所は企業からの人工知能開発の依頼を受けて訪日した、山梨の施設です。
ジョージは山梨に来る前に妻の「ジュール」を運転中の事故で失くしてしまい、失意の中にいました。
実際にアーカイヴを通じてジュールと話すシーンが出てきます。
まさに電話で話している様な感じです。
目的は妻のアーカイヴデータが入った人工知能を作る
実はジョージはこの人工知能の開発を隠れ蓑にし、実は自分のために人工知能ロボットの開発を進めていました。
その目的はアーカイブにあるジュールの意識データを、人工知能に入れて復活させる事です。
実際に開発は難航し、表向きの開発が進んでいない事を企業責任者から責められています。
あくまでもジョージは奥様を取り戻すため、完成させようと必死になっているのですね。
人工知能ロボットは3体
この人工知能ロボット開発は段階を踏んでいて、今作り上げようとしているロボットで3体目です。
その試作にあたるテストロボットが2体、その施設でジョージとともに生活をしています。
・1体目…腕が無く幼い幼子の様な精神を持つ
・2体目…手足があり、16歳程度の知能を持つ
・3体目…完成間近、意識は成人女性レベル
数をこなすにつれロボットの品質レベルは内外ともに向上していきます。
1体目はそれこそ箱を縦に積んだような雑な容姿ですが、3体目は最終的に人間と全く同じような姿になります。
発端はアーカイブから不正コピーした事
ジョージは最初からジュールの意思をロボットの中に入れようと思っていた訳ではありません。
ジュールの意思データをアーカイブから不正コピーしたのが事の始まりです。
200時間の枠に縛られず、ずっと一緒にいたいと思うが故に犯した罪です。
その意識データをソフト解析して1年以上待った結果、生まれたのが最初の1体目です。
この経験を踏まえて試行を繰り返し、ようやく3体目の完成版にこぎ着けた訳です。
思念の段階的なデータ化に成功
人の意識レベルを具現化する事に成功した結果、全ての人工知能に意思があります。
1体目は2割程度・2体目は4割程度の具現化に終わっていますが、そのレベルに応じた意思が備わります。
この具現化の割合と人としての成長過程が比例関係にある訳ですね。
幼子・少女・大人の女性
1体目は2割程度ですから言葉をしゃべれず、まさに幼子の様な感じです。
それに対し2体目は4割程度で16歳程度の意識を持っています。16歳と言えば普通の女の子ですよね。
そして3体目の意識レベルは100%であり、まさに大人の女性そのものという域まで到達します。
「ジュール本人」では無いのですが、一般的な成人としての意識は完璧に持ち合わせている状態です。
足りないものとすれば、過去の記憶などジュールとしてのパーソナルな情報くらいでしょう。
意思が入った人工知能は人間かロボットか
人の意思が入った人工知能は「人間かロボットか」については、いまだ答えの出ない問題です。
本映画でも身近に考えるべき根幹テーマとして描かれています。
人としての意思が宿っている訳ですから、その意味では3体とも「人格」があると言えます。
しかし主人公は、全てを彼女を復活させるための「道具」としてしか考えていないのです。
嫉妬と絶望
3体目の完成品は上半身だけの状態ですが、すぐに足を取り付けるとジョージは言います。
そのためにジョージは、2体目の足を外して3体目の足のベースにします。もちろん2体目には内緒でです。
2体目が目が覚めた時には足が違うものになっており、歩きにくくなっていました。
中身は多感な少女
2体目は物語冒頭から、もっと私を大切に扱って欲しいという意思表示をしています。
今回の件でも足を元に戻して欲しいと言いましたが、ジョージは聞く耳を持ちません。
2体目も実はわかっているのですね。大事なのは3体目であり自分はすぐに用無しになる事を。
嫉妬心と絶望感に飲み込まれた2体目は、自ら命を絶とうとします。
見た目こそロボットですが、2体目の「か弱い少女」の様な細かい演出に感情移入してしまいます。
私とジョージとジュール
3体目においても同様です。
3体目は大人の女性として完成されたものですから、後はジュールのパーソナルデータを入れれば完璧になります。
うまくデータが入れば、生きていた頃のジュールに変わる訳です。
しかしデータを入れる前の3体目の人格は、例えジュールから生まれたものであっても全く別物です。
私とジョージ、私とジュールという形で自分を別人格に分けているのですね。
自分ではない誰かのために
そして3体目も、自分がジュールのデータに上書きされるためだけに存在している事を知ります。
レベルが高いだけに変に理解がありますから、せつない表情やしぐさが随所に表れます。
そして最終的にはジョージのために、ジュールのデータを入れる事に了承するのです。
その振る舞いはまさに「主人公をかばって死ぬヒロイン」です。
企業側に不正がばれる
先ほどの2体目のロボットが湖に沈んでいるのを企業側に発見された事で不正が発覚し、物語はクライマックスへ突入します。
部隊の強行突破により、施設内の各区画を閉じている内壁が1枚ずつ破られていきます。もう時間がありません。
捕まってしまえばここまでの努力の全てが水の泡になってしまいます。
このタイミングで3体目は、(ジュールの)アーカイヴデータを入れたいというジョージの切な願いを受け入れます。
データさえ入れば、ジュールと2人で施設を抜け出す事ができますからね。
アーカイヴデータを移動
ジョージはアーカイヴから、ジュールのデータを3体目へ転送します。
アーカイヴにデータが残らない様、抜き取ってくる形でしょう。
実際にデータの移動は成功し、3体目にジュールの意思が入り込みます。
3体目がジュールに変わった事を知って喜んだ主人公ですが、その時アーカイヴから通信が入ります。
その声は何と、3体目に入れたはずのジュールの声でした…。
まとめ
以上が簡単なあらすじです。以下より少し補足をさせて下さい。
ジュールは自動車事故に遭う直前に、転勤で日本の山梨に行く話がある事をジョージから知らされました。
この時ジュールは実は妊娠しています。
ジュールの妊娠を知らない
ここで妊娠を告げれば、山梨の転勤話を蹴ってせっかくの出世チャンスを棒に振るかも知れないと思い、ジュールはその事を言いません。
そこで突如空中(丘の上の対向車線)から車が飛んできて、ジョージ達の車にぶつかってしまうのですね。
意識がもうろうとする中、隣のジュールの手を取ろうとするジョージ。
ジョージは、ジュールが妊娠している事を知らないまま人工知能を作っていた訳です。
ぜひ一度見てみて下さい。
そしてこの物語は、最後に意外な結末を迎えます。
今思えば腑に落ちないシーンも多くちらばっていましたが、それらは全て伏線だったという事でしょう。
まあ納得のいくラストである事には違いありません。
Amazon Prime Video会員なら無料で見れますので、ぜひ一度チェックしてみて下さい。
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