クライアントエピソード9:フリーランスとして最初に仕事を頂いたお客様
今回は私こと「えるぺぐ」が、初めてフリーランスとしてホームページ制作のお仕事をもらった時のお話です。
どのような経緯で案件を請け負う事ができたのか、それから仕事がある程度軌道に乗るまでを紹介しています。
もっとこうすれば良かったという私なりの反省点もありますので、まずはご覧頂ければと思います。
記念すべき100記事目は初めて仕事をもらった時のお話
本記事にてこのWEB系フリーランス情報Blog「えるぺぐ」は、記念すべき100記事目を迎えます。
そこで今回は私が17年以上前に独立して、最初にお仕事をもらったお客様のお話をしたいと思います。
長いかも知れませんが、気楽に目を通して頂ければ嬉しいです。
20代の終わりに仕事を辞める
一度お話をしたかもしれませんが、私は17年以上前に当時働いていたホームページ制作会社を諸事情で辞める事になります。
まったく制作に携わらない営業の仕事だったので、担当していたお客様とはそこで一切の縁を切りました。
今思えばつながりを持っていた方が良かったと思いますが、当時はパソコンの先生になるつもりでいましたので全く頭にありませんでした。
パソコン教室の先生をするつもりだった
当時パソコンの先生は仕事としてまだやっていける職だったと思います。今は到底難しいですけどね。
それまでに学習塾の先生をした経験もあったので、人に教える仕事は性に合っていると今でも思っています。
パソコン操作を教える仕事をもらう
その当時私には唯一知り合いの、とある会社の社長がおられました。前に勤めてた会社とは全く無関係です。
その人は私の彼女が勤めている会社の社長さんで、私が退職した事を彼女が話していたのですね。
そこでその社長からのお呼ばれで、会社の社員に導入したパソコン(当時はWindowsXP)の操作方法を教える仕事を始める事になります。
ホームページは作れるかい?
しばらくパソコン操作を教える仕事をいていたところ、社長から「ホームページ作れるかい?」と聞かれました。
前に制作会社で営業の仕事をしていたからできると思われたのでしょう。
その社長はホームページを新しくしたいという希望を前々から持っておられたのですが、前回作った時の制作会社とはすでに関係が切れていた様でした。
初めてのホームページ制作依頼
この仕事が私が初めて請け負ったWEBサイト制作の仕事になります。
つまり私としては意図していない依頼だったのですね。
今でこそフリーランスとして独立をして17年になったと公言していますが、その当時は独立したという意識もなければ「フリーランス」という言葉もありませんでした。
ですので「いま考えればあれが最初だったな」という感じです。
私に依頼した事を忘れて別の業者と打ち合わせをする社長
その社長は「天然」なところがあり、私にサイト制作を依頼した事を忘れて、そのあと別の制作業者に問い合わせをしています。
その制作会社との打ち合わせ日が、私との打ち合わせ日と一緒の日なのです(どゆこと?)。
彼女がその当日に「あの、今日打ち合わせに来ますよ…?」と助言をして初めて、私に依頼していた事を思い出したくらいです。
慌ててその制作業者をキャンセルをしてもらったという思い出があります。
※私への依頼を本気にしていなかったのかも知れませんがw
嘘をついて案件を受注
当時の私は制作会社に勤めてはいたものの、営業であり制作担当ではなかったので、正直作れる自信は全くありませんでした。
ですが、打ち合わせの際に私は何故か「できます!作れます!」と断言したんですよね~。
今思えばすごい発言だと思います。だってウソですからね。でもこの時の「ハッタリ」が今後の明暗を分けたと思っています。
初めての制作に苦しみます
さて、請け負ってしまったはものの今までホームページを作った事が無いのです。しかも法人のホームページです。
どうしよう…もうそれはそれは悩みました。
ですのでそこからhtml+cssの組みあわせでホームページを作る猛勉強が始まりました。
当時のホームページはtableタグ構成中心の時代
当時は会社であれば、どこも大体ホームページを所有していましたが、まだtableタグが主体となるhtml4が全盛の時代です。
大量のtrタグ・tdタグが並び、デザインスタイルも直接タグ内に書き込まれていたホームページでしたね。
スタイルシート(css2)にデザイン部門を分担させたWEBサイトに切り替わる「過渡期」だったと思います。
現在の様に情報豊富な環境ではありません。
今はちょっとググればすぐに必要な情報が手に入る時代ですよね。
ホームページ制作に関してであれば、よほどの事が無い限り本を買って調べる必要は無いと思います。
ところが当時はまだ、インターネット上にそんな情報はほとんど出ていません。
時間も限られている
今回はクライアントからの依頼である以上期限があります。時間を掛けて自分のペースで作れるわけではありません。
社長ですので悠長に待っててはくれないはずですから、時間もそんなにないのです。
焦りましたね、あの当時は。ヤバイどうしよう!と思った覚えがあります。
本を信じてサイト制作を学習
ですのでまずはとにかく本を買いました。
htmlとcssの組み合わせでホームページを作る本でしたが、本格的なものではなく個人が作れるレベルの「導入編」でした。
とにかく書いてあるコードを一つずつパソコンで実演しながら、「本当にそうなるのか」を確認していく日々です。
これまでコードを書いたこと等ない私にとってはすべてが新鮮です。
タグを打つとそれが実現される喜び
半信半疑でドキドキしながら、本に書いてある通りにタグを打つと、その通りにホームページがモニター上に映るんですね。
これが当時とても嬉しかった事を覚えています。
これを繰り返す事で、自分の手で会社のホームページを作る事が本当にできるんだという事実に一歩ずつ近づいていくのがわかるんです。
焦りつつも「書いてある通りに実際にデータが映る事」にワクワクした事を記憶しています。
苦しい時期でしたが、新しい世界に飛び込んで水を得た魚のように生き生きとしてくるのを実感していました。
何とか初めてのホームページを制作完成させる
今思えば「これで完成したと言えるのか」というレベルのものだったと思いますが、とにかく一通りホームページを形にする事ができました。
制作にかなり時間が掛かりましたが、幸運な事に社長にも一発でOKをしてもらえて、納品する事ができた訳です。
ここは社長の天然なところや性格にも助けられましたね。細かい人だったりデザインにうるさかったりする社長だったら一発アウトだったでしょう。
ここは本当に運がよかったと思います。
私は実際に頂いた仕事を通じて、緊張感を保ちながらホームページを作るという経験を、ここで初めてさせてもらいました。
パソコン教室の先生からホームページ制作業者へ
これを皮切りに自身でさらにホームページ制作に磨きをかけ、ホームページ制作に関するいろいろな経験をしていきます。
もちろん失敗したり、お客様と喧嘩したりとかもしました(上記の社長とも喧嘩しました、よく許してもらえたなとw)。
程なくして、初めて私が作ったホームページをリニューアルする仕事もその社長からもらいました。
制作レベルが向上する
腕が上がっているので、当然の事ながら前回とは別物のWEBサイトができ上がります。
その結果その社長から別のお客様を紹介してもらい、新規にホームページを作る仕事を頂いたりもしましたね。
それと同時に自分自身も、ホームページ制作業者としてのWEBサイトを立ち上げます。
いつの間にかパソコン教室の先生ではなく、個人でホームページ制作の仕事をする業者になっていった訳です。
人との出会いで人の運命は変わる
今独立する人は最初からホームページ制作の仕事を取るつもりで積極的に動くはずですよね。
まずは先に自分のポートフォリオを作る事でしょう。そしてそれをSNSでアピールし、かつ積極的にクラウドサービスを利用して案件受注をするように努めるはずです。
ですが当時の私はパソコンの先生が目標でしたので、最初から独立して仕事を取ろうという姿勢ではなかったんですね。
ところがその方向性は突然、社長からの声掛けで180度変わります。
私はその社長に自身の将来を変えてもらい、今の私へと導いてもらったとさえ思っています。
もしそのままパソコン教室の先生をしていたら今頃どうなっていたかと思うと、今でもゾッとします。
決して食べていける状態ではない
ここで勘違いのないように述べておきましょう。
その後もちょくちょくいろいろな人から仕事を頂きましたが、それでもフリーランスとして食べていける様な売上には、まったく到達していませんでした。
ちょっと前までは自分がホームページを作れる様になるまでもがいていましたが、次は食べていける様になるまでもがく毎日です。
初めて4年位は赤字の状態
結果、ホームページの仕事を初めてからの4年間は彼女に食べさせてもらっている状態でしたね…。
彼女には本当に感謝しています。
今でこそこのように経緯を書いていますが、その当時は「これで本当にやっていけるのか?」という不安をずっと持っていました。
考え方が甘かった部分があります
正直なところ「いつかきっと売上は上がるはず!それまで我慢だ!」…なんて意識は持っていませんでした。
どちらかと言えば「ホームページ制作に携わる仕事が楽しい」という感覚だけで過ごしていたと思います。
「そんな考え方じゃダメじゃん!彼女に失礼じゃん!」…ですよね。
ホームページから問い合わせが入り始める
5年目以降からちょっと風向きが変わります。
その頃からホームページを通して新規のお客様が自動的に入ってくるようになってきました。
自分のサイトの価値が上がる
とにかくその頃は自分のWEBサイトへのコンテンツ追加・ブラッシュアップを常に心がけていました。
担当した制作案件は必ず、自分のサイトに制作事例として掲載させてもらっていましたし。
その結果WEBサイトの検索順位が上がり、ユーザーの目に留まる様になったのだと思います。
ようやく徐々に食べていける売上ボリュームになっていったのですね。
本当に運が良かったと思います。自分に強い意志と野心があれば、もっと早く軌道に乗ったのかも知れません。
今でも自分のWEBサイトは現役で営業担当
制作業者が溢れかえるほどに増えた今現在も、自分が作ったホームページは現役で自分の代わりに営業をしてくれています。
17年のドメイン・サイト運営歴があります。
今でも新規のお客様を呼び込み続けてくれていますので、やはりできるだけ早く自分のサイトを持つことが重要ですね。
次回に続く
以上が、私が初めてサイト制作の仕事を受けてフリーランスとして軌道に乗るまでのお話でした。
初めて仕事を依頼して頂いたこの社長との出会いが、私の運命を変えてくれた事に感謝しています。
これまでの恩をお返ししたいと常々思っていたんですが、残念ながらこの社長は突如亡くなってしまわれます。
次回はこの社長が亡くなられた時のエピソードを差し支えない範囲でお話したいと思います。