
増え続けるフリーランス人口・経済規模・年収、増加の背景にはメリットあり
フリーランスについて
私自身も実は15年前からフリーランスをしております。
元々WEB系のお仕事をするつもりで独立をした訳ではなく、前の会社(IT関係)の退職時に担当していたクライアントと一切の縁を切った事もあり、パソコンの先生になれればと思っていました。
今思えば大変な選択だったなと思いますが、紆余曲折あってWEB系の仕事をそのまま続けることができていますね。
開業当時は大変でしたが今は整いつつあります
今でこそ多くのフリーランスの人達とその人口を支えるだけの需要がある様ですが、その当時はなかなかそういった仕事は少なかったと思います。
でも今はWEB系に従事したフリーランスが非常に多くなってきましたね。これからはもっと個の時代が進んでいくと思います。アメリカがそうですしね。
フリーランスに関する様々な情報を私の経験も含めてお届けしていきたいと思います。
フリーランスの人口・経済規模
もちろんフリーランスにもいろいろ働く業界がありますが、それでも個人(フリーランス)との取引が年々増えて来ていると実感している人が多いのではないでしょうか。
「クラウドワークス」などのクラウドソーシングサービスが台頭しており、多様な人々のニーズに対応する働き方へのバリエーションが求められています。
そのメリット・デメリットはともかく、フリーランスという働き方は一般認識されているといっても良いでしょう。
フリーランス実態調査
ランサーズ株式会社が全国の20-69歳男女(3,096人)を対象に国内初の今年で4度目となる「フリーランス実態調査」を実施されたそうです。
【ランサーズ株式会社フリーランス実態調査 2018年版】はこちら
フリーランス人口においては前年と横ばいで1,119万人、人口に占める割合は17%となっています。
フリーランスの人口は744万人、経済規模は8兆円
調査では、日本における副業・兼業を全て含む「業務委託」で仕事をするフリーランスの経済規模が、初の推計20兆円を超える結果となりました。
その中で副業(本業・副業を区別していない労働者を含む)フリーランスの人口は744万人となり、その経済規模は8兆円近い規模に到達しています。
その報酬も順調に増加し、業務委託ベースのパラレルワーカー数が伸びている傾向にあると言います。
フリーランス人口1119万人の内訳
・自由業系フリーワーカーが53万人(5%)
・自営業系独立オーナーが322万人(29%)
・副業系すきまワーカーが454万人(41%)
・複業系パラレルワーカーが290万人(26%)
となっています。
フリーランスの種別
【自営業系独立オーナー】 | 1人で経営をしている個人事業主・法人経営者 |
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【自由業系フリーワーカー】 | 特定の勤務先はないが独立している人 |
【複業系パラレルワーカー】 | 2社以上の企業と契約して仕事をする人 (雇用形態は自由) |
【副業系すきまワーカー】 | 会社雇用されているが 副業としてフリーランスの仕事をこなす人 |
フリーランス先進国アメリカ
日本でもかなり浸透してきているといえるフリーランスですが、これはアメリカの成長率の3倍の人口成長率です。
アメリカの労働人口は日本の約2.3倍となる1.5億人です。その中で約5500万人がフリーランスとして働いています。これは労働人口の約35%にのぼります。
アメリカでは2027年にはフリーランス人口が労働人口の50%を超えるという予測もあり、近年その割合は上昇傾向にあります。
日本もアメリカを追随
もともとアメリカは個の社会ですので、50%越えはそう遅くない時期に実現されると思いますし、日本も5年遅れ程度でその度合いが進むと思われます。
たとえば在宅勤務も可能で、これまでは難しかった主婦の方も時間を見つけて簡単に仕事ができるようになってきています。
フリーランスの平均収入
フリーランスの平均年収をみてみましょう。
調査によりますと、副業・兼業を含むフリーランス個人の平均報酬は186万円となり、昨年比12%増加傾向となったそうです。
増加傾向にある背景には現在ではインターネットやテクノロジーの進化で、フリーランス(副業含む)という立場で仕事がしやすい社会環境があると言えます。
世代別の平均年収
20~30代はすきま時間を利用した副業フリーランスが多く、全体に占める割合も低くなっています。
30代でも10%、20代にいたってはわずか1%程度です。従ってフリーランスで稼ぐ収入はこの世代は高くても200万円以下といったところです。
それ以外の世代は300~400万円程度が平均となっています。専業フリーランスの中心は50代(38.3%)40代(36.3%)です。
種類別の平均年収
フリーランスの種類別平均年収
・自営業系独立オーナーが356万円
・自由業系フリーワーカーが157万円
・複業系パラレルワーカーが154万円
・副業系すきまワーカーが74万円です。
ランサーズによれば自由業系フリーワーカーと副業系すきまワーカーの生産性が向上しており、昨年比で20%以上伸びているという調査データです。
フリーランスの受注先
フリーランスが仕事を探す経路(複数回答)は以下の様になっています。
・過去・現在の取引先…… 18%
・広告宣伝(Web・SNS)…… 15%
・クラウドソーシング…… 12%
・広告宣伝(雑誌・新聞)…… 8%
・エージェントサービスの利用…… 6%
・シェアリングサービス…… 2%
など。
やはり人脈が大半を占めており、特にキャリアの長い昔ながらのフリーランスでこの経路が多い様です。
一方でクラウドソーシングやシェアリングサービスのネット経由の割合が増加傾向にあり、特に副業フリーランスにおいてこのケースが増えているとしています。
フリーランス人口増加の背景
なぜこんなに日本でフリーランス人口が増えたのでしょうか?それはIT技術の発達と現代の社会環境の変化に適応した労働のあり方があります。
急速なITインフラの進行
WEB上で不特定多数のフリーランスに対し企業が業務を発注できる「クラウドワークス」などのクラウドソーシングサービスが登場しました。
さらにネット上で資金を集めることができるクラウドファンディングなど、インターネット上のプラットフォームが近年急速に充実してきています。
これらがフリーランスの人口を急上昇させている大きな要因と言えます。
個人単位のサービス・スキル向上
これは日本だけでなく、世界的な潮流でもあります。ITの発達によって個人が単独でできる仕事の幅が拡大していますね。
さらに働く場所に縛られない仕事とそれを支えるインフラ技術が充実しています。
プログラミングやwebデザインはその個人スキルを活かした働き方の代表例にあたり、クラウド化すればサービス・スキルは提供場所を選びません。
労働環境の変化
フリーランスは会社勤めとは異なり、労働時間を自由に組み合わせることができます。
またフリーランスの場合はどの仕事を請け負うのかを自ら選択する事が可能です。
自分がやりたい仕事・興味のある仕事だけを選んで、積極的に仕事に打ち込むことができるのです。
リモートワークを推奨する企業も増えてきており、作業する環境が整う「コワーキングスペース」も都市部を中心に増加傾向にあります。
これらもフリーランス人口の増加の背景です。
「一連の作業をする人間が必ずしも常に一堂に会している必要はない」
「結果的にプロジェクトが完成すればOK」
というかじ取りができるようになった事が、労働環境変化の大きな推進力になっています。
アメリカは日本の5年後
アメリカでは現在プロジェクト毎に人員が集結し、そのプロジェクトを完遂したら解散され、また次のプロジェクトに移っていくという働き方をしている人が一定数います。
日本ではまだまだ「仕事は会社単位」という概念が染み付いていますが「アメリカは日本の5年後」と言われています。
日本でもこのプロジェクト単位の仕事が拡大して行くことは十分に考えられるのです。
プロジェクト単位の働き方
このプロジェクト単位の働き方はフリーランスの人口を更に増加させると考えられています。
会社の社員で集まって仕事を達成(プロジェクトを完成)させるのではなく、プロジェクトがまず主軸にあり、それの完成ありきで人員が集まるというシートバランスです。
そもそもフリーランスはプロジェクト単位で様々な仕事に取り組んでいく働き方です。
フリーランスにとってこのようにプロジェクト単位での仕事を募集してくるクライアントが増えれば自然とそういった流れになりますよね。
フリーランスのメリット
働く時間が選べる
毎朝決まった時間に起きて、通勤電車に揺られ、目一杯仕事をした後はまた通勤電車に揺られて帰る。
もちろんこれらが会社員の通常ベースですので何も文句はありませんが、朝の弱い方通勤電車が嫌いな方もたくさんいます。
そもそもの話、求められた仕事を期限内に完成させればいつどのように仕事をしても問題は無いのでは?と思う方はいらっしゃいますよね。
納期内の成果物だけにフォーカスする時代
仕事を依頼する側も求めた成果さえ得られれば、請け負った側がいつ仕事をしてもそこは気にしないはずです。そこがまさしくフリーランスの醍醐味ですよね。
子供をお持ちのお母さんや介護が必要な親をお持ちの方も仕事ができるチャンスが生まれます。
子供が寝ている間や親をデイサービスに送り出した後に仕事、といった今までは想像もつかなかった機会が考えられますよね。
働く時間が自由というのは根本的に働き方を変え、どのような環境の人にも労働機会を与えれるほどの影響力があるのです。
働く場所が選べる
現在はどこでもWi-Fiが使える時代です。通信品質の差はありますが、日本国内だけでなく海外でもWi-Fiは使えます。
つまり自宅はもちろん、パソコンやスマホでネット接続できる環境さえあればいいのです。
自宅近辺のカフェやコワーキングスペース、旅行先、別荘、さらには世界旅行しながら仕事をすることだってできますよね。
人脈を広げやすい
フリーランス同士の交流会も各地でたくさん開催されています。そこで名刺交換した後、紹介を受けて仕事へと発展することがありますよね。
さらにそこからまた交流が広がって次の仕事へ、という人脈と紹介受注のループができる事もあります。
フリーランスとしてクライアントの信頼を得ると、よくあるのが「他にどなたかいませんか?」という質問を受けることです。
そこで信頼できる仲間を紹介してさらなる信頼を得るという、縦のつながりと横のつながりが強くなりますよね。
フリーランスのデメリット
体調管理・スケジュール管理が大変
会社なら体調不良で休んでも有休消化扱いですし、自分の仕事は誰かが代わってやってくれます。それが会社です。
ただし、フリーランスは「自分のこなした仕事と単価の掛け算」で自身への報酬が決まります。ですのでこなした仕事がゼロだった場合は当然ゼロです。
自分がやらないと誰もやってくれない
ですので日頃の体調管理がとても大事です。そしてフリーランス向けの保険への加入も検討が必要です。
フリーランス協会が運営するもの、フリーランス向けサイトが運営するもの、様々あります。
1つの仕事だけで食べていけるならその契約作業に集中すれば良い話ですが、単発の細かな仕事を同時多数で請け負った場合、そのスケジュール管理が大変です。
ある仕事で長引くと、他の仕事のスケジュール・納期に影響がおよび、クライアントに対しての謝罪や調整も行わなければいけません。私も良くやります。
事務作業も自分でやらなければいけない
会社員ならば出張費や什器購入の経費が発生すれば、所定の経費精算用紙に領収書をつけて会社に請求、年末調整も書類提出、それだけでいいですよね。
ところがフリーンランスはすべて自分で処理しなければなりません。
日々の見積書や請求書などの事務作業はもちろん、確定申告などもすべて自分で行う必要があります。
これは実際にやると大変です。丸一日かかる場合もあります。請求は間違えるとこちらの責任ですので、最悪の場合本来の額を請求できなかったりします。
将来性への不安
単身で戦うフリーランスは会社員とは違って将来性への不安もたくさんあります。
景気が悪くなり仕事が減少したら、今度は仕事の争奪戦が始まります。フリーランスの数が増え続けるイコールそれが競争を激化させる原因となります。
自分より優秀なフリーランスと戦わなくてはなりません。
特にWEB系の場合は技術の進化や参入の壁が低くなりつつあります。開発ツールのOSS化やクラウドサービスの低価格化、インターネット上の豊富な情報などですね。
これらにより誰でもWEBページ構築やプログラミング技術の習得ができてしまうので、自然と新参のフリーランスが増えます。
結果として案件を奪い合う競合相手が増えるので、その他フリーランスとの値段勝負・技術勝負になってくるのです。