Win11でcmd.exe(コマンドプロンプト)を起動し、同時に指定フォルダへ移動する方法
cmd.exeを起動しcdコマンドで作業ディレクトリに移動する事は頻繁に行うため、ショートカット操作を知っておくべきです。
作業フォルダのアドレスバーからパスをコピーする方法。或いはアドレスバーに直接「cmd」と入力する方法が簡単です。
cmd.exeとcdコマンドを入れたショートカットを作成する方法や、.batファイルに命令を入れ「送る」メニューから実行する方法もあります。
毎回cmd.exeを起動して、cdコマンドを使わなくて済む様に
本記事はWindows11で、cmd.exe(コマンドプロンプト)の実行に関するネタです。
特にReactのプロジェクト開発などの際は、cmd.exeを開いた状態にしますよね。
cmd.exeからnpmなどでReactを実行し、localhost確認をしながら開発を進める訳です。
「cmd.exeを開いてcd移動」を毎回するのは面倒
一つのプロジェクトフォルダ(以下:作業ディレクトリ)内から動かない場合は、開いたままにしておけば問題はないでしょう。
しかし複数プロジェクトにまたがる作業や、私も含め初心者だとcmd.exeを閉じてしまう事があります。
一度閉じてしまうと、cmd.exeを起動して毎回作業ディレクトリへ移動する必要がある訳です。
本記事では、毎回行うこれらの作業をショートカットできるいくつかの方法をご紹介します。
オーソドックスに手作業
まずはいたって普通の方法をおさらいしておきます。
cmd.exeの実行
Windowsキー+Rで「ファイル名を指定して実行」を開きます。
フィールドに「cmd」と入力して(前に入れていれば文字列が残っています)下の「OK」を押します。
Windowsのコマンドプロンプト画面(cmd.exe)が開きます。
ディレクトリ移動
次にディレクトリを移動する命令です。
cd C:\Users\lpeg\デスクトップ\test_app
cd の後ろに半角空けて、対象位置までの絶対パスを入れます。
これで指定のディレクトリ内へ移動します。
この時作業ディレクトリまでのパスが長かったり、日本語や空白文字を含んでいる場合は面倒になりますね。
ではもっと簡単に起動・ショートカットする方法をご紹介していきましょう。
絶対パス自体をコピペする方法
まずはcmd.exeの実行はWindows+Rから実行するとして、次のcd命令を簡単にする方法です。
アドレスをテキストとしてコピー
作業ディレクトリをアクティブにした状態で、アドレスバーの部分を右クリックしましょう。
すると「アドレスをテキストとしてコピー」メニューが表示されますので、これをクリックします。
※上に「アドレスをコピー」もありますがこちらではありません。これを選択すると余計な文字列が入ってきますので注意です。
cmd.exeの画面で、cdの後ろで「Ctrl+V」するとパスを張り付ける事ができます。
この方法ならプロジェクトのフォルダが変わっても、すぐにコピペしてくる事ができます。
フォルダマークを押してパスを表示
私は今まではこのアドレスバーの一番左のフォルダマークを押してパスを表示させてからコピーしていました。
右クリックしてメニューから選ぶこともできる訳ですね。
アドレスバーに「cmd」を入力する方法
次はcmd.exeの起動もショートカットする方法です。
まずは対象の作業ディレクトリをアクティブにした状態にしましょう。
アドレスバー欄にcmdと入力
アドレスバーの余白部分をクリックして、選択されたパス部分を全てDeleteで削除します。
その上で強引に「cmd」と入力します。
するとcmd.exeが立ち上がり、指定パス内に移動した状態になって始まります。
これならWindows+Rを押す必要はありませんし、プロジェクトのフォルダが変わっても、cdが済んだ状態で始める事ができますね。
いまのところこの方法が早くて汎用性が高いと思います。
ショートカットを作る方法
React開発などをしていると、指定プロジェクト内で頻繁にコマンドライン操作をする場合があります。
プロジェクト位置が固定なら、デスクトップ上に専用ショートカットを作成する手段が有効です。
ショートカットのプロパティで「リンク先」と「作業フォルダ」を指定する事になります。
ショートカットの作成
デスクトップ上で右クリック→新規作成→ショートカットを選びます。
ショートカット作成のパネルが表示されます。
「項目の場所を入力して下さい」のフィールド欄に、cmd.exeへのパスを入力します。
C:\windows\System32\cmd.exe
上記をコピペしてこのまま入れて下さい。入れ終わったら「次へ」を押します。
ショートカットに名前を付けたら(なんでもOK)「完了」を押しましょう。
ショートカットの編集
次にデスクトップ上のショートカットを右クリックして、プロパティを開きます。
「ショートカット」のタブが開いている事を確認したら、「作業フォルダー」欄に、今回の作業ディレクトリへのパスを入れます。
C:\Users\lpeg\デスクトップ\test_app
入れ終わったら下の「適用」を押して「OK」を押しましょう。
これで設定は完了です。
ショートカットを実行
このショートカットを開くと、最初から作業ディレクトリに移動した状態でcmd.exeが起動します。
一つ前の手段の様にcmdと入力するよりも、はるかに速いですね。
プロジェクトのフォルダが変わらないなら、これが最速ですかね。
各プロジェクトフォルダごとに複数ショートカット作っても良いと思います。
送るメニューに専用バッチファイルを登録する方法
次はちょっと高度な設定ですが、.bat「バッチファイル」を作る方法です。
これまでと違いかりに全く違うフォルダを表示していても、「cmd.exeを起動しcdで指定フォルダに移動した状態」にできます。
一つずつ解説していきましょう。
テキストファイルを作る
まずはテキストファイルを準備しましょう。新規作成でもコピペでも構いません。
名前はわかりやすい様に「text_app_cmd」としています。
この時「.txt」の拡張子部分は表示されていないはずですね。
最終的にこのファイルを「.bat」の拡張子に変更するので、拡張子が見える設定にします。
拡張子を表示する
適当なフォルダをアクティブにして、右上の「…」マークをクリックします。
開いたメニューから「プロパティ」をクリックします。
真ん中の「表示」タブを開いて、下の方にある「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外しましょう。
「適用」「OK」を押します。
これでキストファイルは拡張子まで表示され「text_app_cmd.txt」になっているはずです。
バッチファイルの命令
テキストファイルを開いて、以下の様に設定します。
@echo off rem cmd実行 rem test_appディレクトリへ移動 cmd /k cd C:\Users\lpeg\デスクトップ\test_app
batファイル内の実行命令
@echo offt…実行のアナウンスをしない設定
rem…コメント欄管理用(命令に影響せず)
cmd /k…cmd.exe実行後待機
cd C:\Users\lpeg\デスクトップ\test_app…ディレクトリ移動
.batファイルの命令に関する解説は割愛します。
.batファイルへ変換
記述が済んだら、.txtファイルを.batファイルに変更します。
単純に「.txt」の拡張子部分を、名前を変更で「.bat」にするだけです。
※「拡張子を変更するとファイルが使えなくなる可能性があります」の様なガイダンスがでますが、無視して実行しましょう。
そうするとアイコンのデザインが変わるはずです。
.batファイルを指定位置に移動
ではこの「text_app_cmd.bat」ファイルを指定位置に移動させます。
Windowキー+Rを押して、「ファイル名を指定して実行」のパネルを開きましょう。
フィールド内に「shell:SendTo」と入力して、OKを押します。
SendTo~「送る」メニュー内項目
すると専用のディレクトリが開きます。SendToは「送る」メニューで表示される項目のディレクトリです。
この中にbatファイルをドラッグして、入れてしまいましょう。
これで準備は完了です。
※先程の「拡張子は表示しない」のチェックの設定は、作業完了後に元に戻して拡張子表示を消しておきましょう。
右クリックして実行してみる
では実際にテストしてみましょう。右クリックから「送る」メニューを表示させます。
適当なフォルダを右クリックしたメニューの一番下に「その他のオプションを表示」があるので押しましょう。
Win11はWin10と違って「送る」を1度に出すことができず、2段階構造になっています。
送るメニュー欄につくったバッチファイルがある
細かいメニューが出てきますので「送る」にカーソルを合わせると、Win10の時と同じような項目が出てきます。
この中に先程作った「text_app_cmd.bat」があるはずですので、これをクリックして下さい。
するとcmd.exeが開き、作業ディレクトリにcdした状態になります。
以上4つ紹介しました。
この方法なら一度.batファイルを登録していれば、作業ディレクトリ以外からでもcmdとcdコマンドが実行できます。
手間のかかる方法ですが、こういった事もできる事を覚えておきましょう。
以上4つほど紹介しましたが、ご自身の環境にあうやり方で活用してみて下さい。